レトリック用例集


No. 1- 21


 1「薩摩芋のようにいびつに赤肥りした大きな顔の端っこのほうに、飯粒のように白くくっついた小さな眼である」(上林暁『薔薇盗人』)直喩
001-A32-B13-C05-a25-b12-c13-i34-ii09-iii07-イ30-ロ11-ハ09-*08「人物の人柄・性格までもが伝わる」

 2「五時少し前に、西瓜の種子を二つ綿に埋めこんだような目をした、とりすました感じの小柄な看護婦が入ってきて、お電話がかかってきてます、と告げた」(ビル・プロンジーニ『誘拐』)直喩
002-A20-B26-C04-a17-b19-c14-i28-ii20-iii02-イ21-ロ22-ハ07-*02

 3「言葉は丁重だが、眉が薄い蝋のように白い顔のなかで、目は青いガラス玉を粉々に砕いたのを膠で固めなおしたみたいだった」(赤羽堯『暗殺のコンチェルト』)直喩
003-A26-B13-C11-a15-b22-c13-i14-ii29-iii07-イ20-ロ23-ハ07-*04「人物の人柄・性格までもが伝わる」

 4「よくけずった青鉛筆のようにとがった目つき」(プルースト『失われた時を求めて』)欧米人の青い目
004-A37-B11-C02-a28-b14-c08-i21-ii28-iii01-イ11-ロ33-ハ06-*16「こちらまで視線の鋭さが伝わり痛い」

 5「男の眼差しは、まるで蠅取紙にくっついた蠅の足のように、リュフュスに釘づけになっていた」(ローラン・トポール『親友』)直喩
005-A33-B13-C04-a23-b17-c10-i30-ii18-iii02-イ21-ロ24-ハ05-*08


 6「やがて焼きたての腸詰のような唇があらわれると、その唇は、規定量をはるかに超えた笑いのために、思いっきりねじ曲げられるのだった」(安部公房『他人の顔』)直喩
006-A40-B08-C02-a24-b14-c12-i31-ii14-iii05-イ31-ロ12-ハ07-*05


 7「陽気なそばかすをまき散らした顔はまん丸で、遠慮がちな冬の太陽のように、済まなそうな微笑で絶えず輝いている」(ウラジーミル・テンドリャコフ『奇跡の聖像』)直喩
007-A25-B19-C06-a39-b04-c07-i23-ii22-iii05-イ10-ロ37-ハ03-*12「比喩によって場面の雰囲気までもが伝わってくる」

 8「そばで、やつが、ドラム缶のように重々しく左右にゆれながら、ヤニのつまったパイプのようないびきをかいている」(安部公房『水中都市』)直喩
008-A29-B19-C02-a27-b16-c07-i32-ii14-iii04-イ38-ロ08-ハ04-*07


 9「彼の声は鋭く、乾からびたドングリのようにカサカサしていた」(ピーター・ヴァンシッタート『幻のロビンフッド』)直喩
009-A11-B32-C07-a14-b21-c15-i15-ii29-iii06-イ16-ロ24-ハ10-*00


 10「鳥黐のように粘りがあり、おろしたての蝿取紙のように光沢がある[声]」(井上ひさし『吉里吉里人』)
010-A15-B23-C12-a15-b13-c22-i20-ii21-iii09-イ13-ロ24-ハ13-*02


 11「彼女はひびの入った茶碗を箸でうつような声で笑ったが、それさえぼくには、たまらなく美しく思われるのでした」(安部公房『飢餓同盟』)直喩
011-A28-B19-C03-a25-b16-c09-i20-ii27-iii03-イ11-ロ33-ハ06-*10「ぼくの盲目的な想いが感じられる」

 12「アラビアゴムの樹が樹液を流すように涙を流しておる」(シェークスピア『オセロ』)
012-A29-B14-C07-a24-b11-c15-i18-ii24-iii08-イ08-ロ31-ハ11-*03


 13「いい舟があんだが」と老人は二百メートルも向うにあるひねこびた松の木にでも話しかけるような、大きな声でどなりたてた」(山本周五郎『青べか物語』)直喩
013-A14-B27-C09-a24-b14-c12-i15-ii28-iii07-イ14-ロ25-ハ11-*02


 14「山の草木みたいに世間知らずのわたしが、あなたに教えるようにでも聞えたらご免なさいね」(スティーヴンスン)直喩
014-A22-B20-C08-a26-b10-c14-i19-ii26-iii05-イ20-ロ22-ハ08-*05「ふ、ふ、という小さな笑いを与えてくれる」

 15「彼の顔には汗が雨のようにひどく井戸水のように冷たく流れた」(スティーヴンスン)
015-A31-B18-C01-a26-b15-c09-i12-ii30-iii08-イ08-ロ36-ハ06-*06


 16「罰をくった子供のようにホテルに残っている[人々]」(プルースト『失われた時を求めて』)直喩
016-A14-B25-C11-a20-b13-c17-i14-ii27-iii09-イ14-ロ26-ハ10-*04「暗に、大人というものがどういうものか写しているのがおもしろい」

 17「私が待っている玄関の前に並んだ車のそばには、めずらしい種類の灌木のように、ひとりの年若いボーイが立っていて、彩色したような髪の毛がふしぎにうまく調和しているのと、植物のような皮膚とで、人目をひいていた」(プルースト『失われた時を求めて』)チップを期待できない客の前で立ったまま動こうとしないドアボーイ。
017-A24-B16-C10-a15-b19-c16-i20-ii21-iii09-イ16-ロ21-ハ13-*03


 18「シャルリュス氏が大きなまるはな蜂のようにぶんぶんうなりながら門を出たのと同時に、もう一匹の、今度は本当のまるはな蜂が中庭に入ってきた」(プルースト『失われた時を求めて』)直喩
018-A28-B18-C04-a22-b12-c16-i33-ii12-iii05-イ24-ロ22-ハ04-*07


 19「弁護士の細君はうまのあしがた属のある種の花のようにまんまるい顔で、片方の目尻にかなり大きな植物性のあざがあった」(プルースト『失われた時を求めて』)直喩
019-A17-B24-C09-a14-b19-c17-i25-ii16-iii09-イ24-ロ16-ハ10-*02


 20「ゲルマント公爵は83歳というほとんど人が登りえない頂上に立っていて、もはや木の葉のようにふるえながらしかまえに一歩を踏みだせなかった」(プルースト『失われた時を求めて』)直喩
020-A33-B14-C03-a31-b07-c12-i17-ii26-iii07-イ20-ロ20-ハ10-*07


 21「適当な距離を置くと、そういうものは見えなくなり、吸収されてなくなった両頬のあいだから、実に綺麗な、実に清らかな鼻が、三日月のように出ていた」(プルースト『失われた時を求めて』)

021-A26-B17-C07-a16-b15-c19-i19-ii22-iii09-イ05-ロ35-ハ10-*05「顔の中に、ぼんやりとその人物の顔全体までもが見えてくる」