レトリック用例集

No. 47- 67


 47「稲妻は黄色のフォーク。空にあるテーブルから、不注意な手が落したもの」(E.ディキンソン『ディキンソン詩集』)隠喩

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 48「とうてい小説のなかの登場人物のように、善意というほのぼのとした電気毛布の上で、子犬よろしくじゃれ合ったりというような場面は、期待すべくもなかった」(安部公房『他人の顔』)隠喩

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 49「汽車の笛の音を形容して、喘息病みの鯨のようだ、といったフランスの小説家があるが、なるほど、うまいことばだと思う間もなく、長蛇のごとくのたくってきた列車は、五百人余の健児を一度にプラットホームの上に吐き出した」(夏目漱石「思い出す事など」)

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 50「ラジオやテレビはおろか電報も電話もなかった江戸期以前においては、事件は人の背中に背負われてひろまっていくほかはなかった。」(井上ひさし『新東海道五十三次』)

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 51「寒さのためにやたらに色を塗りたくられた兵士たちの顔」(プルースト『失われた時を求めて』)隠喩

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 52「胸がむかつくほど脂っこい[冗談]」(プルースト『失われた時を求めて』)隠喩

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 53「十五年おきにやっと一つ、一幕ものかソネットをしぼりだす便秘作家」(プルースト『失われた時を求めて』)

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 54「人生ってほんとうに悲しいものね、指の下からどんどん溶けて流れてしまう」と相手は言った」(スティーヴンスン)隠喩

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 55「クレープ地の服の胸あきのなかに女友達からちくりとくちづけの針を入れられたのを感じてヴァントゥイュ嬢は小さな叫びをあげた」(プルースト『失われた時を求めて』)

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 56「土なべの底は、やがて勘定を払って、ついでに下女にからかって、二階を買いきったような大きな声を出して、そうして出ていった」(夏目漱石『野分』)隠喩

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 57「自分ながら、この時は、相手の寒い顔が伝染しているに相違ない、と思った」(夏目漱石「琴のそら音」)

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 58「その声には、黄なのも、青いのも、赤いのも、黒いのもあるが、互いに重なりかかって、一種名状すべからざる音響を浴場内にみなぎらす」(夏目漱石『吾輩は猫である』)

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 59「この名文句は、そのためにわざわざ招待した親密な人たちのあいだで、その翌日の昼食にはまだ冷製のままで食べられたし、その一週間は、ソースをいろいろに変えて食卓に顔をだす始末だった」(プルースト『失われた時を求めて』)諷喩

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 60「ビールの良いところはね、全部小便になって出ちまうことだね。ワン・アウト一塁ダブル・プレー、何も残りゃしない」(村上春樹『風の歌を聴け』)諷喩

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 61「九日目に新宿高校裏の青線でまた女とキャッチボールをした。二球投げて七百円ですんだ。安いと思ったら、淋病にかかったらしい、むずむずして仕事に差支える。医者に行ったら三千円とられて、結局高くついた」(井上ひさし『モッキンポット師の後始末』)

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 62「栄次郎につづいて厠に入るおれの背中へ、職人たちの笑い声が追いかけてきた」(井上ひさし『手鎖心中』)

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 63「醜聞は戸口まで来ているのである。その結果がどんな致命的なものになるか公妃は恐ろしくて考えられなかった」(スティーヴンスン)擬人法

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 64「習慣がその腕に私を抱きあげてくれたのだ、そして私を幼児のように私のベッドまで運んでくれるのであった」(プルースト『失われた時を求めて』)擬人法

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 65「人間にせよ、動物にせよ、おのれを知るのは生涯の大事である」(夏目漱石『吾輩は猫である』)擬人法

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 66「コンブレーでは動物も人間も含めてみんなのことがよく知られていた」(プルースト『失われた時を求めて』)

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 67「三毛のようなかわいらしいネコは、鐘と太鼓で捜して歩いたって、二人とはおりませんからね」二匹というかわりに、二人といった」(夏目漱石『吾輩は猫である』)擬人法

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