欧日対照レトリック用語集


 略   号

 カ=W.カイザー(谷口勇訳)『文学作品の分析と解釈』(上・下)創樹社1984 独
 グ=グループμ(佐々木健一・樋口桂子訳)『一般修辞学』大修館書店1981 仏
 シ=R.シンチンゲル他編『現代独和辞典』三修社 独
 デ=P.ディクソン忍足欣四郎訳『修辞』研究社1975 英
 バ=R.バルト(沢崎浩平訳)『旧修辞学便覧』みすず書房1979 仏
 フ=P.フォンタニエ『言述の文彩』(1821,1827)邦訳なし 仏
 Pierre Fontanier,Les figures du discours,Flammarion,1968
 ラ=H.ラォスベルク『文語修辞学便覧』(1960,1990)邦訳なし 独
 H.Lausberg, Handbuch der Literarischen Rhetorik,3.Aufl.,F.Steiner,1990
 五=五十嵐力『新文章講話』早稲田大学出版部1909 英
 池=池田拓朗『英語文体論』研究社出版1992 英
 石=石井慎二編『レトリックの本』JICC出版局1981 英仏
 英=『ランダムハウス英和大辞典』小学館
 大= 大山敏子『英語修辞法』篠崎書林1956 英
 言=『ラルース言語学用語辞典』大修館書店
 佐=佐藤信夫『レトリック感覚』『レトリック認識』講談社1978,1981 英仏

 中=中村明『日本語レトリックの体系』岩波書店1991

 野=野内良三『レトリック辞典』国書刊行会1998 仏英
 速=速水博司『近代日本修辞学史』有朋堂1988 英
 丸=丸谷才一『文章読本』中央公論社1977 英


 グループμ関連
 語形=語形変換/構成=構成変換/語義=語義変換/論理=論理変換
 部削=部分的削除/全削=全面的削除/単附=単純な附加/反附=反復的附加
 部削附=部分的削除・附加/全削附=全面的削除・附加/否削附=否定の削除・附加
 全置=全種の置換/倒置=倒置による置換

 シンチンゲル関連
 語綾=語の文彩/文綾=文の文彩/思考綾=思考の文彩/音調綾=音調の文彩

 フォンタニエ関連
 転義tropes/非転義non-tropes/擬似転義(濫喩)
 交換転義(換喩)/関係転義(提喩)/類似転義(隠喩)/混合転義(兼用法)
 虚構表現の文彩(転義)/反映表現の文彩(転義)/対立表現の文彩(転義)
 変動構文の文彩/充溢構文の文彩/含意構文の文彩
 拡張表現法の文彩/演繹表現法の文彩/結合表現法の文彩/音調表現法の文彩
 強調文体の文彩/言い回し文体の文彩/対照文体の文彩/模倣文体の文彩

 五十嵐関連
 結体=結体(固め)の原理/増義=増義(増やし)の原理
 融会=融会(念押し)の原理/順感=順感(言い換え)の原理
 朧化=朧化(ぼかし)の原理/存余=存余(余し)の原理
 奇警=奇警(脅かし)の原理/変性=変性(はぐらかし)の原理

 中村関連
 展開=展開のレトリック/配列=配列のレトリック/反復=反復のレトリック付加=付加のレトリック/省略=省略のレトリック/伝達=伝達のレトリック/間接=間接のレトリック/置換=置換のレトリック/多重=多重のレトリック/摩擦=摩擦のレトリック

 グループμの『一般修辞学』では、変換の概念を基礎に据えることによってすべての修辞法を、語形変換metaplasme・構成変換metataxe・語義変換metasememe・論理変換metalogismeに大別しています。そして、そのそれぞれについて、問題の手法が、削除であるか、附加であるか、その両方を伴うものであるか、置き換えであるかによって、彼らは記述を進めて行きます。
 シンチンゲルの分類では、文彩Figurenは語の文彩Wortfiguren・文の文彩Satzfiguren・思考の文彩Gedankenfiguren・音調の文彩Klangfigurenに区分されています。
 三位一体を好むフォンタニエの細分は隠喩と換喩と提喩を軸として、多くの三つ組をその著作に与えている。兼用法syllepseにも、濫喩catachreseにも、換喩的・提喩的・隠喩的の区別があり、他の転義(文彩)と称するものについても、虚構表現・反映表現・対立表現の区別がある。さらに、転義でない文彩と称するものについても、変動構文・充溢構文・含意構文の区別がある。
 五十嵐の『新文章講話』では、表正道は結体・増義・融会・順感の四原理に分けられ、裏権道は朧化・存余・奇警・変性の四原理に分けられています。
 中村明は展開のレトリックを配列・反復・付加・省略に、また伝達のレトリックを間接・置換・多重・摩擦の四種に分けています。
 なお、webページでは、今のところ、日本語の文章とドイツ語やフランス語などの文章との混在は、文字化けの問題があるので、一応、特殊記号は省いて表記してあります。
 英仏独のどの言語が問題となっているかは、上記のどの著作で使われているかによって、判断できます。基本的には、仏英独語の順になっています。