1989(平成元年)年3月15日文部省告示第24号

「小学校学習指導要領」(体育)

第9節 体  育

第1 目 標
 適切な運動の経験と身近な生活における健康・安全についての理解を通して、運動に親しませるとともに健康の増進と体力の向上を図り、楽しく明るい生活を営む態度を育てる。

第2 各学年の目標及び内容
  [第1学年及び第2学年]
1 目 標
 (1)基本の運動及びゲームを楽しくできるようにするとともに、体力を養う。
 (2)だれとでも仲良くし、健康・安全に留意して運動をする態度を育てる。
2 内 容
 A 基本の運動
 (1)走・跳の運動、力試しの運動、器械・器具を使っての運動、用具を操作する運動、水遊び及び模倣の運動について、他人との競争、いろいろな課題への取組などを行うとともに、体の基本的な動きや各種の運動の基礎となる動きができるようにする。
 (2)順番やきまりを守り、仲よく運動ができるようにする。
 (3)運動する場所の危険物を取り除いたり、水遊びの心得を守ったり、運動後、体を清潔にしたりすることができるようにする。
 (4)縦隊の集合、整とんなどの集団としての行動ができるようにする。
 B ゲーム
 (1)ボール遊び及び鬼遊びについて、友達と簡単な規則を決め、みんなでゲームが楽しくできるようにする。
 (2)規則を守り、互いに仲よくゲームを行い、勝敗を素直に認めることができるようにする。
3 内容の取扱い
 (1)内容の「A基本の運動」及び「Bゲーム」に示す事項については、各学年で指導するものとする。
 (2)地域や学校の実態に応じて歌を伴う運動遊びや簡単なフォークダンスを加えて指導することができる。

 〔第3学年及び第4学年〕
 1 目 標
 (1)各種の運動を楽しくできるようにするとともに、その特性に応じた技能を身に付け、体力を養う。
 (2)協力、公正などの態度を育てるとともに、健康・安全に留意して最後まで努力する態度を育てる。

 2 内 容
 A 基本の運動
 (1)走・跳の運動、力試しの運動、器械・器具を使っての運動、用具を操作する運動及び浮く・泳ぐ運動について、他人との競争、いろいろな課題への取組などを行うとともに、体の基本的な動きや各種の運動の基礎となるよい動きができるようにする。
 (2)運動の仕方のきまりをつくり、それを守り、互いに注意し合って仲よく運動ができるようにする。
 (3)運動をする場所を整備し、用具の安全を確かめ、浮く・泳ぐ運動の心得を守って、運動ができるようにする。
 (4)縦隊の集合、整とん、行進などの集団としての行動ができるようにする。
 B ゲーム
 (1)ポートボール、ラインサッカー及びハンドベースボールについて、友達と規則を工夫し、簡単な技能を身に付け、ゲームが楽しくできるようにする。
 (2)規則を守り、互いに協力してゲームを行い、勝敗を素直に認めることができるようにする。
 C 器械運動
 (1)自己の能力に適した課題をもって次の運動を行い、その技ができるようにする。
  ア マット運動及び鉄棒運動について、技を繰り返したり、組み合わせたりすること。
  イ 跳び箱運動について、支持跳び越しをすること。
 (2)互いに励まし合って運動ができるようにする。
 (3)機械・器具の使用の仕方を工夫して、安全に運動ができるようにする。
 D 水泳
 (1)自己の能力に適した課題をもって、クロール及び平泳ぎの技能を身に付け、ある程度続けて泳ぐことができるようにする。
 (2)互いに協力して水泳ができるようにする。
 (3)水泳プールのきまりや水泳の心得を守って、安全に水泳ができるようにする。
 E 表現運動
 (1)身近な生活の中から題材を選んで、その主な特徴をとらえて簡単な動きで表現したり、フォークダンスの踊り方を身に付けたりして、踊りを楽しむことができるようにする。また、友達や他のグループの踊りを見て、そのよさが分かるようにする。
 (2)互いに協力して練習や発表ができるようにする。
3 内容の取扱い
 (1)内容の「A基本の運動」、「Bゲーム」、及び「E表現運動」に示す事項については、各学年で指導するものとする。なお、「Bゲーム」の(1)の運動については、各学年に分けて指導することができる。
 (2)内容の「C器械運動」及び[D水泳」については、原則として第4学年で指導するものとする。その場合、「A基本の運動」の(1)に示す事項のうち器械・器具を使っての運動及び浮く・泳ぐ運動は扱わないものとする。

 [第5学年及び第6学年]
1 目 標
 (1)各種の運動の楽しさや喜びを味わうことができるようにするとともに、その特性に応じた技能を身に付け、体力を高める。
 (2)協力、公正などの態度を育てるとともに、健康・安全に留意し、自己の最善を尽くして運動をする態度を育てる。
 (3)体の発育と心の発達、けがの防止、病気の予防及び健康な生活について理解できるようにし、健康で安全な生活を営む能力と態度を育てる。

2 内 容
 A 体 操
 (1)自己の体に関心をもち、ねらいをもって次の運動を行い、体力を高めることができるようにする。
  ア 体の柔らかさ及び巧みな動きを高めるための運動をすること。
  イ 力強い動き及び動きを持続する能力を高めるための運動をすること。
 (2)互いに協力して、計画的に運動ができるようにする。
 (3)縦隊及び横隊の集合、整とん、列の増減などの集団としての行動ができるようにする。
 B 器械運動
 (1)自己の能力に適した課題をもって次の運動を行い、その技ができるようにする。
  ア マット運動及び鉄棒運動について、技を新たに加えてそれらを繰り返したり、組み合わせたりすること。
  イ 跳び箱運動について、安定した動作での支持跳び越しをすること。
 (2)互いに協力して、計画的に運動ができるようにする。
 (3)器械・器具の使用の仕方を工夫して、安全に運動ができるようにする。
 C 陸上運動
 (1)自己の能力に適した課題をもって次の運動を行い、その技能を身に付け、競争したり、記録を高めたりすることができるようにする。
  ア リレー・短距離及び障害走
  イ 走り幅跳び及び走り高跳び
 (2)互いに協力して、計画的に練習や競争ができるようにし、競争では、勝敗に対して正しい態度がとれるようにする。
 D 水 泳
 (1)自己の能力に適した課題をもって、クロール及び平泳ぎの技能を身に付け、続けて長く泳ぐことができるようにする。
 (2)互いに協力して、計画的に水泳ができるようにする。
 (3)水泳プールのきまりや水泳の心得を守って、安全に水泳ができるようにする。
  E ボール運動
 (1)次の運動の技能を身に付け、ルールを工夫したり、簡単な作戦を立てたりしてゲームができるようにする。
  ア バスケットボール
  イ サッカー
 (2)互いに協力し、役割を分担し、勝敗の原因を考え、計画的に練習やゲームができるようにする。
 F 表現運動
 (1)身近な生活の中から題材を選んで、表したい感じをとらえ、動きに変化をつけて表現したり、フォークダンスの踊り方を身に付けたりして、踊りを楽しむことができるようにする。また、友達や他のグループの踊りを見て、その良さが見分けられるようにする。
 (2)グループの目標を決め、互いに協力して、計画的に練習や発表ができるようにする。
 G 保 健
 (1)体の発育と心の発達について理解できるようにする。
  ア 体は、年齢に伴って変化すること。また、思春期になると、体つきが変わり、初経、精通などが起こって次第に大人の体に近づくこと。
  イ 心は、いろいろな生活経験を通して、年齢とともに発達すること。また、思春期になると異性への関心が芽生えること。
 (2)けがの防止について理解できるようにする。
  ア 交通事故、学校生活の事故によるけがの防止には、周囲の危険に気付いて的確な判断の下に安全に行動することが必要であること。
  イ 交通事故、学校生活の事故によるけがの防止には、環境を安全に整えることが必要であること。
 (3)病気の予防について理解できるようにする。
  ア 病原体が主な要因となって起こる病気の予防には、病原体を体に入れないことや病原体に対する体の抵抗力を高めることが必要であること。
     イ 生活行動や環境が主な要因となって起こる病気の予防には、望ましい生活習慣を身に付けること、住まいや衣服を整えることなどが必要であること。
 (4)健康な生活について理解できるようにする。
  ア 健康の保持増進には、運動、休養、睡眠及び食事の調和のとれた生活をすることが必要であること。
  イ 健康の保持増進には、良い水、良い空気及び日光が欠くことのできないものであること。
  ウ 健康の保持増進には、個人の努力とともに、家庭、学校などの努力も必要であること。
3 内容の取扱い
 (1) 内容の「A体操」から「F表現運動」までに示す事項については、各学年で指導するものとする。なお、「C陸上運動」の(1)のイについては、各学年に分けて指導することができる。
 (2) 内容の「Eボール運動」の(1)については、地域や学校の実態に応じてソフトボールを加えて指導することができる。
 (3) 内容の「G保健」については、(1)及び(2)を第5学年で、(3)及び(4)を第6学年で指導することを標準とする。

第3 指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い
 1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
 (1)地域や学校の実態を考慮するとともに、個々の児童の運動経験や技能の程度などに応じた指導が十分行えるよう工夫すること。
 (2)一部の領域の指導に著しく偏ることのないよう授業時数を配当すること。
 (3)第2の第5学年及び第6学年の内容の「G保健」については、各学年の年間授業時数の10分の1程度を配当すること。
 2 各学年の内容の取扱いについては、次の事項に配慮するものとする。
 (1)水遊び、浮く・泳ぐ運動及び水泳の指導については、適切な水泳場の確保が困難な場合にはこれを扱わないことができるが、これらの心得については、必ず取り上げること。
 (2)クロール及び平泳ぎの指導については、スタートも取り上げること。その際、安全に十分留意すること。
 (3)集団としての行動の指導については、各学年の各領域(第5学年及び第6学年の内容の「G保健」を除く。(4)において同じ。)において行うこと。
 (4)歩の運動の指導については、各領域において適切に行うこと。
 (5)自然とのかかわりの深い雪遊び、氷上遊び、スキー、スケートなどの指導については、地域や学校の実態に応じて積極的に行うことに留意すること。


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