高等学校学習指導要領・理科(昭和35年)
1960(昭和35)年10月15日文部省告示第94号
第2章 各教科・科目
第4節 理 科
第1款 目 標
1 自然の事象についての関心を深め、真理を探究しようとする態度を養う。
2 自然の事象を実験・観察などを通して考察し処理する能力と態度を養う。
3 自然の事象に関する基本的な事実や原理・法則に関する理解を深め、これらを活用する能力を伸ばし、科学的な創造力を育てる。
4 科学的な自然観を育て、また、自然科学が生活や産業に応用されており、人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。
以上の目標の各項目は、相互に密接な関連をもって全体として「理科」の目標をなすものであり、「理科」の各科目の目標のもととなるものである。指導にあたっては、各科目の目標とともに教科の目標の達成に努めなければならない。
第2款 各 科 目
第1 物理A
1 目 標
(1)生活に関係の深い物理的な事象についての関心を深め、すすんでこれらを探究しようとする態度を養う。
(2)物理的な事象を実験・観察などを通して考察し処理する能力と態度を養う。
(3)物理的な事象に関する基本的な概念や原理・法則を理解させ、これらを活用する能力を伸ばし、さらにくふう創造する態度を養う。
(4)物理的な事象を取り扱うのに必要な機械器具を操作する技術を習得させる。
(5)物理的な見方、考え方が、広く自然の諸現象を科学的に理解する基礎となることを知らせるなどして科学的な自然観を育て、また、物理学が生活や産業に応用されており、人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。
2 内 容
以下に示す「物理A」の内容は、3単位を標準とし、全日制の課程にあっては第3学年、定時制の課程にあってはこれに相応する学年において履修させることを前提として作成したものである。
力
一点にはたらく力のつりあい、力の合成、力の分解、作用と反作用
固体にはたらく力
力のモーメント、偶力、重心、弾性変形(弾性率は扱わない。)
物体の運動
速度(微分記号を用いた表現は扱わない。)、加速度、速度の合成、落下運動、円運動
運動の法則
運動の法則、質量(密度についても扱う。)、運動量、摩擦(動摩擦、流れの抵抗にもふれる。)
単振動
単振り子(周期の式の理論的な証明は扱わない。)つるまきばねにつけたおもりの振動
力学的エネルギー
仕事、仕事率、位置エネルギー、運動エネルギー、力学的エネルギーの保存
熱
熱容量、比熱、熱膨張率、絶対温度、熱と仕事(熱機関についても簡単に扱う。)、蒸気圧
波動(光と波については簡単に扱う。)
縦波と横波、波長と伝搬速度、干渉、回折、共振(共鳴)
光の反射と屈折
反射・屈折の法則、レンズの式(レンズの応用にもふれる。)、スペクトル
電流と抵抗
電圧、電流、オームの法則、ジュールの法則、直流回路(簡単な実用回路を扱う。)
電流と磁界
磁石、電流による磁界(定性的に扱う。)、電流が磁界から受ける力(F∝HIl)、電流計、電圧計、電磁誘導(定性的に扱う。)
交流と電気振動
交流(実効値、三相交流についても扱う。)、変圧器の原理と電力輸送、電気振動と電波(応用に関連づけて原理を扱う。コイルやコンデンサーのはたらきにもふれる。)
電子
真空管のはたらき(二極官、三極官および光電管のはたらきを扱う。)、電子工学(エレクトロニクスの特徴とその応用を概括的に扱う。)
原子、原子核
原子模型(原子は1個の原子核とそのまわりを回る何個かの電子とからなることを扱う。)、原子核の電荷と質量、原子核の変換、放射能
[備考] 項目の説明中にある数式の記号は慣用によったが、必ずしもこれによる必要はない。
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(1)指導計画作成にあたっては、指導する事項を精選し、基本的な事項の指導をじゅうぶんに行なうことができるように配慮する。
(2)「内容」に示した各事項は、表現に便宜のために順序づけ、まとめてあるが、これは指導の順序やまとまりを示すものではない。指導にあたっては、指導する事項を順序づけ組織だてて適切な指導計画を作成しなければならない。
(3)指導する各事項については、それらを相互に関連づけ、物理的な考え方を中心にして展開していくように構成することが必要であるが、この際、学問的体系によりすぎることなく、地域や生徒の実情などに応じて重点をおく事項を定めるなどし、また、平易に取り扱うことが望ましい。
(4)単に知識や理解を得させるにとどまらず、その課程において「物理A」の目標とする科学的能力や態度を具体的に習得していくように指導する。
(5)生活や産業との関連を考慮して指導するようにする。実際の応用例などを扱うとき、基本的な概念や法則とのつながりをじゅうぶんに理解させることがたいせつである。また、基本的な事項の指導においても、身近な物理的事象や技術の発展とのつながりを重視し、できるだけ平易に取り扱うことが必要である。
(6)できるだけ広く実験・観察を通して学習させるようにする。実験・観察は、次のような諸点に留意して選定する。
ア 重要な原理や法則と結びついた基本的なものであること。
イ 特定の事項の実験・観察に片寄ることなく、できるだけ指導する内容の全域にわたるようにすること。
ウ 基本的な量、たとえば長さ、質量、時間、温度、電流、電圧などの測定を含めること。
なお、指導の補助手段としてスライド、映画、放送などを精選して活用することが望ましい。
(7)数学的な取り扱いについては、事象に即して平易な数式を用いることができるようにし、物理における数学の役割を理解させることがたいせつである。
(8)物理量と単位(基本単位と誘導単位)についての理解を確実にし、また、物理量の測定における誤差と有効数字について具体的に理解させるように指導する。
(9)基本的な実験法や計量器、機械器具の取り扱いに関する技能については、指導する事項との内容的な関連をじゅうぶんに図り、操作の意味を考えさせるように指導する。
(10)特に実験・観察の指導においては、事故の防止にじゅうぶんに留意する。
第2 物理B
1 目 標
(1)物理的な事象についての関心を深め、すすんでこれらを探究しようとする態度を養う。
(2)物理的な事象を実験・観察などを通して考察し処理する能力と態度を養う。
(3)物理的な事象に関する基本的な概念や原理・法則を系統的に理解させ、これらを活用する能力を伸ばし、さらにくふう創造する態度を養う。
(4)物理的な事象を取り扱うのに必要な機械器具を操作する技能を習得させる。
(5)物理的な見方、考え方が、広く自然の諸現象を科学的に理解する基礎となることを知らせるなどして科学的な自然観を育て、また、物理学が生活や産業に応用されており、人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。
2 内 容
以下に示す「物理B」の内容は、5単位を標準とし、全日制の課程にあっては第2学年および第3学年、定時制の課程にあってはこれに相応する学年において履修させることを前提として作成したものである。
力
一点にはたらく力のつりあい、力の合成、力の分解、作用と反作用、静止摩擦
固体にはたらく力
力のモーメント、平行力、偶力、重心、弾性変形(ずれ、ねじれの弾性率は扱わない。
液体にはたらく力
液体の圧力(p=ρgh)、浮力、流れの抵抗(定性的に扱う。)
物体の運動
速度(微分記号を用いた表現は扱わない。)、加速度、速度・加速度の合成、落下運動、放物運動
運動の法則
運動の法則、質量(密度についても扱う。)、重力、万有引力、運動量の保存、動摩擦
円運動
向心力と遠心力、角速度
単振動
単振り子、つるまきばねにつけたおもりの振動、共振(共鳴)
力学的エネルギー
仕事、仕事率、位置エネルギー、運動エネルギー、力学的エネルギーの保存
熱
熱容量、比熱、熱膨張率、気体の膨張、ボイル−シャルルの法則(実験的な検証などを扱う。)絶対温度、蒸気圧
熱と分子運動
熱と仕事、仕事当量、エネルギー保存の原理、気体の分子運動
波動
横波と縦波、波長と伝搬速度、干渉、回折、定常波
音
弦・管の振動、うなり、ドップラー効果
光の波
光の速さ(測定法は簡単に扱う。)、光の干渉(簡単な例について扱う。)、偏光(簡単な例について扱う。)
光の反射と屈折
反射・屈折の法則、レンズの式、望遠鏡と顕微鏡、分散とスペクトル
電界と磁界(電気に関する単位は実用単位を主とする。)
電界、磁石と磁界、クーロンの法則、静電誘導、コンデンサー、仕事と電位差
電流と抵抗
電圧、電流、オームの法則、ジュールの法則、抵抗率、電池の内部抵抗、直流回路、(閉じた回路、二端子回路、簡単な回路網を扱う。)
電流と磁界
電流による磁界(直線電流による磁界H∝I/r)、電流が磁界から受ける力(F∝HIl)、電流計、電圧計
電磁誘導
磁界が変化するときの誘導電圧、磁界中を針金が動くときの誘導電圧(V∝vlH)、インダクタンス、変圧器の原理と電力輸送
交流と電気振動
交流(実効値、三相交流についても扱う。)コイルやコンデンサーを流れる交流(I=V/ωL、I=ωCV)、共振回路、電気振動と電波
電子
陰極線、電子のe/m(陰極線の偏向などからe/mが求められることを扱う。)、真空管のはたらき(二極管、三極管および光電管のはたらきを扱う。)、電子工学(エレクトロニクスの特徴とその応用を概括的に扱う。)、固体の中の電子(トランジスターについてもふれる。)、X線と結晶(定性的に扱う。)
原子、原子核
原子模型(原子は1個の原子核とそのまわりを回る何個かの電子とからなることを扱う。)、原子核の電荷と質量、原子核の変換、放射能
〔備考〕 項目の説明中にある数式の記号は慣用によったが、必ずしもこれによる必要はない。
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(1)指導計画作成にあたっては、指導する事項を精選し、基本的な事項の指導を十分に行なうことができるように配慮する。
(2)「内容」に示した各事項は、表現に便宜のために順序づけ、まとめてあるが、これは指導の順序やまとまりを示すものではない。指導にあたっては、指導する事項を順序づけ組織だてて適切な指導計画を作成しなければならない。
(3)指導する各事項については、それらを相互に関連づけ、物理的な考え方を中心にして展開していくように構成し、学習を通して系統的な理解が得られるように指導する。
(4)単に知識や理解を得させるにとどまらず、その過程において「物理B」の目標とする科学的能力や態度を具体的に習得していくように指導する。
(5)基本的な事項の指導においても、実際の具体的な事象とのつながりや帰納的な考え方を重視して指導する。
(6)できるだけ広く実験・観察を通して学習させるようにする。実験・観察は、次のような諸点に留意して選定する。
ア 重要な原理や法則と結びついた基本的なものであること。
イ 特定の事項の実験・観察にかたよることなく、できるだけ指導する内容の全域にわたるようにすること。
ウ 基礎的な量、たとえば長さ、質量、時間、温度、電流、電圧などの測定を含めること。
なお、指導の補助手段としてスライド、映画、放送などを精選して活用することが望ましい。
(7)数学的な取り扱いについては、数学的操作を用いすぎて、物理的な見方、考え方をおろそかにしたり、計算に重点をおきすぎたりすることなく、事象に即して平易な数式をじゅうぶんに駆使させるようにし、物理における数学の役割を理解させることが大切である。
(8)物理量と単位(基本単位と誘導単位)についての理解を確実にし、また、物理量の測定における誤差と有効数字について具体的に理解させるように指導する。
(9)基本的な実験法や計量器、機械器具の取り扱いに関する技能については、指導する事項との内容的な関連をじゅうぶんに図り、操作の意味を考えさせるように指導する。
(10)特に実験・観察などの指導においては、事故の防止にじゅうぶん留意する。
第3 化学A
1 目 標
(1)生活に関係の深い物質や化学現象についての関心を深め、すすんでこれらを探究しようとする態度を養う。
(2)物質や化学現象を実験・観察などを通じて考察し処理する能力と態度を養う。
(3)物質や化学現象に関する基本的な事実、概念、法則などを理解させ、これらを活用する能力を伸ばし、さらにくふう創造する態度を養う。
(4)物質や化学現象を探究するのに基礎となる平易な化学的操作に関する技能を習得させる。
(5)自然の諸現象を、物質とその変化という立場から見ることなどによって科学的な自然観を育て、また、化学が生活や産業に広く応用されており、人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。
2 内 容
以下に示す「化学A」の内容は、3単位を標準とし、全日制の課程にあっては第2学年、定時制の課程にあってはこれに相応する学年において履修させることを前提として作成したものである。
物質
純物質、混合物、単体、化合物、元素、同素体
物質を構成する分子
原子、分子、イオン、電子、原子団
化学式および化学式量
元素記号、組成式、分子式、構造式(異性体にもふれる。)、当量、原子価、原子量、分子量(アボガドロの法則についても扱う。)、グラム分子、グラム当量
化学変化
化学変化、化学反応式、反応熱
反応の速さと化学平衡(化学反応の速さおよび化学平衡に対する濃度、温度、触媒などの影響を定性的に扱う。)
反応の速さ、触媒、可逆反応、化学平衡
酸、塩基および塩の水溶液
酸、塩基、塩、中和、pH(実用的な尺度として扱うことにとどめる。)
電気分解と電池
電気分解、イオン化傾向、電池
元素の周期律
元素の周期律、原子構造と周期律(第3周期までをおもに扱う。)、原子番号、同位体
おもな元素とその化合物
非金属元素とその化合物(炭素、ケイ素、窒素、リン、イオウ、ハロゲンなど。)、金属元素とその化合物(ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉛、クロム、マンガン、鉄、銅、銀、亜鉛など。)
有機化合物
炭化水素、アルコール、フェノール、アルデヒド、有機酸、エステル、アミン、アミノ酸
高分子物質
高分子物質の性質、合成高分子物質、天然高分子物質
コロイド
ゾル、ゲル、乳濁液、界面現象(吸着や洗剤のはたらきを主とする。)
生物体に関係ある物質
炭水化物、脂肪、タンパク質(酵素のはたらきについても扱う。)
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(1)指導計画作成にあたっては、指導する事項を精選し、基本的な事項の指導をじゅうぶんに行なうことができるように配慮する。
(2)「内容」に示した各事項は、表現に便宜のために順序づけ、まとめてあるが、これは指導の順序やまとまりを示すものではない。指導にあたっては、指導する事項を順序づけ組織だてて適切な指導計画を作成しなければならない。
(3)指導する各事項については、それらを相互に関連づけ、化学的な考え方を中心にして展開していくように構成することが必要であるが、この際、学問的体系によりすぎることなく、地域や生徒の実情などに応じて重点をおく事項を定めるなどし、また、平易に取り扱うことが望ましい。
(4)単に知識や理解を得させるにとどまらず、その過程において「化学A」の目標とする科学的能力や態度を具体的に習得していくように指導する。
(5)生活や産業(特に化学工業)との関連を考慮して指導するようにする。実際の応用例などを取り扱うときは、細部にわたったり特殊な事項にふれたりすることを避け、化学の基本的な事実、法則などとのつながりをじゅうぶんに理解させることがたいせつである。
(6)できるだけ広く実験・観察を通して学習させるようにする。実験・観察は、次のような諸点に留意して選定する。
ア 重要な事実、法則などと結びついた基本的なものであること。
イ 特定の事項の実験・観察に片寄ることなく、できるだけ指導する内容の全域にわたるようにすること。
ウ 物質の精製、分離、計量および加熱、普通の試薬の調整、簡単な実験装置の組み立てなどを含めること。
なお、指導の補助手段としてスライド、映画、放送などを精選して活用することが望ましい。
(7)化学式および化学量の取り扱いについては、単なる計算に終わることなく、それらの化学的な意味をじゅうぶんに理解させるようにする。
(8)おもな元素とその化合物および有機化合物については、多種類の物質について各論的にら列することなく、代表的なものや身近なものを中心として取り扱う。
(9)基本的な実験法や計量器、機械器具の取り扱いに関する技能については、指導する事項との内容的な関連をじゅうぶんに図り、操作の意味を考えさせるように指導する。
(10)特に実験・観察などの指導においては、中毒、爆発、火災などの事故の防止にじゅうぶんに留意する。
第4 化学B
1 目 標
(1)物質や化学現象についての関心を深め、すすんでこれらを探究しようとする態度を養う。
(2)物質や化学現象を実験・観察などを通して考察し処理する能力と態度を養う。
(3)物質や化学現象に関する基本的な事実、概念、法則などを系統的に理解させ、これらを活用する能力を伸ばし、さらにくふう創造する態度を養う。
(4)物質や化学現象を探究するのに基礎となる化学的操作に関する技能を習得させる。
(5)自然の諸現象を、物質とその変化という立場から見ることなどによって科学的な自然観を育て、また、化学が生活や産業に広く応用されており、人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。
2 内 容
以下に示す「化学B」の内容は、4単位を標準とし、全日制の課程にあっては第2学年および第3学年、定時制の課程にあってはこれに相応する学年において履修させることを前提として作成したものである。
物質
純物質、混合物、単体、化合物、元素、同素体
物質を構成する分子
原子、分子、イオン、電子、原子団
化学式および化学式量
元素記号、組成式、分子式、構造式(異性体にもふれる。)、当量、原子価、原子量、分子量、グラム分子、グラム当量
気体
ボイル− シャルルの法則(分子量が求められることを扱う。)、気体反応の法則、アボガドロの法則
溶液(溶液の性質と溶液の分子量の測り方扱う。)
濃度、溶解度、溶質の分子量(凝固点降下、沸点上昇、浸透圧などで求められることを扱う。)
化学変化
化学変化、化学反応式、反応熱、熱化学方程式、ヘスの法則
反応の速さと化学平衡(化学反応の速さおよび化学平衡に対する濃度、温度、触媒などの影響を定性的に扱う。)
反応の速さ、触媒、可逆反応、解離、電離、化学平衡
酸、塩基および塩
酸、塩基、塩、中和、水素イオン濃度(pH)、中和滴定、錯イオン
電気分解と電池
電気分解、電気分解の法則、イオン化傾向、電池
酸化、還元(広義の酸化、還元を含む。)
酸化、還元、酸化剤、還元剤
元素の周期律
元素の周期律、原子構造と周期律(第3周期までをおもに扱う。)、原子番号、同位体
原子間の結合
イオン結合、共有結合
おもな元素とその化合物
非金属元素とその化合物(炭素、ケイ素、窒素、リン、イオウ、ハロゲンなど。)、金属元素とその化合物(ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉛、クロム、マンガン、鉄、銅、銀、亜鉛など。)
有機化合物
炭化水素、アルコール、フェノール、エーテル、アルデヒド、ケトン、有機酸、オシキ酸、エステル、アミン、アミノ酸
高分子物質
高分子物質の性質、合成高分子物質、天然高分子物質
コロイド
ゾル、ゲル、乳濁液、界面現象(吸着や洗剤のはたらきを主とする。)
生物体に関係ある物質
炭水化物、脂肪、タンパク質(酵素のはたらきについても扱う。)
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(1)指導計画作成にあたっては、指導する事項を精選し、基本的な事項の指導をじゅうぶんに行なうことができるように配慮する。
(2)「内容」に示した各事項は、表現に便宜のために順序づけ、まとめてあるが、これは指導の順序やまとまりを示すものではない。指導にあたっては、指導する事項を順序づけ組織だてて適切な指導計画を作成しなければならない。
(3)指導する各事項については、それらを相互に関連づけ、化学的な考え方を中心にして展開していくように構成し、学習を通して系統的な理解が得られるように指導する。
(4)単に知識や理解を得させるにとどまらず、その過程において「化学B」の目標とする科学的能力や態度を具体的に習得していくように指導する。
(5)基本的な事項の指導においても、生活や産業(特に化学工業)との関連を図り、具体的な例などを用いて帰納的な考え方をさせることがたいせつである。
(6)できるだけ広く実験・観察を通して学習させるようにする。実験・観察は、次のような諸点に留意して選定する。
ア 重要な事実、法則などと結びついた基本的なものであること。
イ 特定の事項の実験・観察に片寄ることなく、できるだけ指導する内容の全域にわたるようにすること。
ウ 物質の精製、分離、計量および加熱、普通の試薬の調製、簡単な実験装置の組み立てなどを含めること。
エ 銀イオン、銅イオン、鉄イオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオンのうちいくつかの混合液について、これらのイオンが系統的に分離できることを経験させること。
なお、指導の補助手段としてスライド、映画、放送などを精選して活用することが望ましい。
(7)化学式および化学式量の取り扱いについては、単なる計算に終わることなく、それらの化学的な意味をじゅうぶんに理解させるようにする。
(8)おもな元素とその化合物および有機化合物については、多種類の物質について各論的にら列することなく、代表的なものを中心として取り扱う。)
(9)基本的な実験法や計量器、機械器具の取り扱いに関する技能については、指導する事項との内容的な関連をじゅうぶんに図り、操作の意味を考えさせるように指導する。
(10)特に実験・観察などの指導においては、中毒、爆発、火災などの事故の防止に十分に留意する。
第5 生 物
1 目 標
(1)生物や生物現象についての関心を深め、すすんでこれらを探究しようとする態度を養う。
(2)生物や生物現象を実験・観察などを通して考察し処理する能力と態度を養い、あわせて機械器具を操作する技能を習得させる。
(3)生物や生物現象に関する基本的な事実、原理などの理解を深め、これらを活用する能力を伸ばすとともに、科学的な創造力を育てる。
(4)人体の構造・機能についての事実や原理の理解を深め、健康の基礎となる事項を科学的に考察する能力を養う。
(5)生物の有機性および生物相互あるいは生物の環境との相関についての理解を深めて自然界の調和を認識させることなどによって科学的な自然観を育て、また、生物学が生活や産業に応用されており、人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。
2 内 容
以下に示す「生物」の内容は、4単位を標準とし、全日制の課程にあっては第1学年、定時制の課程にあってはこれに相応する学年において履修させることを前提として作成したものである。
生物体の構成
細胞の構造、細胞分裂、個体のなりたち、原形質(生命現象が原形質によって営まれていることに重点を置いて扱う。)、生物体の物質的構成
生命体における物質交代とエネルギー交代
物質交代とエネルギー交代およびその関連、酵素、生物の栄養(独立栄養と従属栄養に重点をおいて扱う。)
植物の栄養(機能と関連して構造についても扱う。)
養分の吸収(土と肥料についても扱う。)、炭酸同化、窒素同化、蒸散、養分の移動と貯蔵
動物の栄養(機能と関連して構造についても扱う。)
栄養素、消化の意義、消化運動、消化酵素、吸収、養分の移動と貯蔵
呼吸
呼吸の意義、呼吸器の構造と機能、発酵(解糖についても扱う。)
排出
排出の意義、排出器の構造と機能
血液とその循環
血液とその循環の意義、血液の組成とそのはたらき、循環器の構造と機能、リンパとリンパ系
反応と調節
刺激反応性、感覚の種類、感覚器の構造と機能、反応のいろいろ(作動体を扱う。)、運動器の構造と機能、神経系の構造と機能、行動のいろいろ、反射、本能と知能、恒常性の維持と物質交代の調節(自律神経系やホルモンなどによる調節を扱う。)
生態
生物の集団(集団の構造・移動・遷移などを扱う。)、環境と適応、生物相互の関係(生物界の物質生産と消費の観点を重視し、生物の保護にもふれる。)、生物による自然界の物質循環、生物の分布
生殖
性と生殖、生殖細胞のでき方(減数分裂に重点をおいて扱う。)、受精、世代交代と核相交代
発生
はい(胚)の発生、発生の仕組み、成長と変態
遺伝と変異
遺伝の法則、遺伝のしくみ、性の決定、変異
生物の進化
進化の論拠、進化の要因に関する説明
生物の系統と分類
分類の概念と方法、動物の系統と分類、植物の系統と分類
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(1)指導計画作成にあたっては、指導する事項を精選し、基本的な事項の指導をじゅうぶんに行うことができるよう配慮する。
(2)特別の事情によって、「生物」に3単位を充てて指導する場合においても、基本的事項の指導がおろそかにならないように留意する。
(3)「内容」に示した各事項は、表現に便宜のために順序づけ、まとめてあるが、これは指導の順序やまとまりを示すものではない。指導にあたっては、指導する事項を順序づけ組織だてて適切な指導計画を作成しなければならない。
(4)指導する各事項については、それらを相互に関連づけ、総合的に考察できるように構成し、学習を通してまとまった理解が得られるように指導する。
なお、物質交代とエネルギー交代、酵素については、これと関連する他の事項と結びつけ、有機的、統一的に取り扱うように留意する。
(5)単に知識や理解を得させるにとどまらず、その過程において「生物」の目標とする科学的能力や態度を具体的に習得していくように指導する。
(6)基本的な事実、原理などの指導にあたっては、具体的な生物的事象とのつながりや帰納的な考え方を重視して指導するとともに、それの応用に関する事項を適宜に取り入れ、生活や産業との関連に留意する。
(7)できるだけ広く実験・観察を通して学習させるようにする。実験・観察は、次のような諸点に留意して選定する。
ア 重要な事実、原理などと密接な実験・観察であること。
イ 特定の事項の実験・観察に片寄ることなく、できるだけ指導する内容の全域にわたるようにすること。
ウ 季節との関連に留意し、季節に応じた適切な時期に実験・観察ができるように計画し指導するとともに、その地域の生物の特徴に留意し、これらを有効に指導に取り入れるようにすること。
エ スライド、映画、放送などを精選して活用し、実験・観察の効果を高めるようにすること。
(8)機械器具の取り扱いについては、指導する事項との関連を図り、操作の意味を考えさせるように指導する。
(9)生物の構造や機能についての指導にあたっては、取り上げる生物の種類を適切に取捨して代表的なものにとどめるとともに、人体に関する理解をも重視する。
(10)生命の尊重と、生物の保護・開発の重要性を認識させるように指導する。
第5 地 学
1 目 標
(1)地学的な事象についての関心を深め、すすんでこれらを探究しようとする態度を養う。
(2)地学的な事象を実験・観察などを通して考察し処理する能力と態度を養う。
(3)地学的な事象についての基本的な事実や原理・法則などの理解を深め、環境に適応して生活を合理化しようとする積極的な態度を養う。
(4)自然の事象を、その相互の関係や長い時間的変化の観点から総合的にはあくさせ、自然界の変化、調和などを認識させるなどして科学的な自然観を育て、また、地学が生活や産業に応用されており、人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。
2 内 容
以下に示す「地学」の内容は、2単位を標準とし、全日制の課程にあっては第1学年、定時制の課程にあってはこれに相応する学年において履修させることを前提として作成したものである。
[地球上層の部]
地球の概観
地球の各圏とその構成、地球の形と大きさ(決める方法を中心に扱う。)、地球の環境(天体からの力、重力、地磁気、各種の放射などについて簡単に総合的に扱う。)
天体としての地球
天球における星の位置(赤道座標、地平座標を扱う。)、地球の自転(証拠となる事実を中心に扱う。)、地球の公転(年周視差、黄道、地軸の傾きを扱う。)、時間と時刻(均時差、報時、経緯度の決定を扱う。)、惑星の視運動、太陽系の構造、太陽放射の地球に及ぼす影響
地球における大気と水
地球上における大気の動き(概括的な運動の状態、気団、高気圧、低気圧などを扱う。)、大気中の水、地球表面に及ぼす大気の影響(吹送流、風波、風食、風成層の生成、砂丘などを扱う。)、四季の気象、天気図と天気予報、地形と気象、気候とその変動、海水の大循環、海流、潮せきと潮流、海水・陸水の運動とその作用(浸食、運搬、たい積などを扱い、津波、こう水などにもふれる。)
〔地球下層の部〕
地球表面と地かく
地球表面の概観(水陸分布、大地形などを扱う。)、地かく(形状、構成物の概観などを扱う。)、主要な鉱物と岩石、鉱床、マグマの活動とその生成物(火山、温泉などについても扱う。)、たい積作用による生成物、岩石の風化、地かく内における岩石の変化、地かく構成物質の循環
地球の歴史
地質調査と地質図、地層と化石、地層の対比、地質時代の区分と地質年代の決め方、最近の地かく変動(地盤変動、水準変化、地震などについて最近の地質時代から現世に至るものを扱う。)、地質構造と地かく変動、日本の地質構造、古生物と地かくの変遷、星の進化と宇宙の構造
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(1)地学の履修については、独立の科目としてまとめて履修させる方法と、〔地球上層の部〕を「物理A」または「物理B」と、〔地球下層の部〕を「生物」とあわせて履修させる方法のいずれかによることができる。
後者によって履修させた場合も、「地学」の科目を履修したものとする。
(2)前記(1)の後者によって履修させる場合には、次の諸点に留意することが必要である。
ア 〔地球上層の部〕および〔地球下層の部〕のそれぞれの内容をまとめて教育的な組織だてをし、「地学」としてまとまった指導を行なうようにすること。
イ 「地学」に2単位を充てる場合は、それぞれの部に1単位ずつ配当するものとする。
(3)指導計画作成にあたっては、指導する事項を精選し、基本的な事項の指導をじゅうぶんに行うことができるように配慮する。
(4)「内容」に示した各部の各事項は、表現に便宜のために順序づけ、まとめてあるが、これは指導の順序やまとまりを示すものではない。指導にあたっては、指導する事項を順序づけ組織だてて適切な指導計画を作成しなければならない。
(5)指導する各事項については、それらを相互に関連づけ、地学的な考えを中心にして展開していくように構成し、学習を通してまとまった理解が得られるように指導する。
(6)単に知識や理解を得させるにとどまらず、その過程において「地学」の目標とする科学的能力や態度を具体的に習得していくように指導する。
(7)基本的な事実、原理などの指導においても、具体的な地学的事象とのつながりや帰納的な考えを重視して指導する。
(8)できるだけ広く実験・観察を通して学習させるようにする。実験・観察は、次のような諸点に留意して選定し、指導する。
ア 重要な事実、原理などと密接な関連を持つ実験・観察であること。
イ 特定の事項の実験・観察に片寄ることなく、できるだけ指導する内容の全域にわたるようにすること。
ウ その地域の地学的な自然環境の特徴に留意し、これを有効に指導に取り入れるようにすること。
エ スライド、映画、放送などを精選して活用し、実験・観察の効果を高めるようにすること。
(9)機械器具の取り扱いについては、指導する事項との関連を図り、操作の意味を考えさせるように指導する。
(10)地学的な事象の相互関係に留意し、これらをできるだけ総合的に取り扱うようにするとともに便宜に自然の災害とその防止および資源の利用にふれ、その重要性を認識させるように指導する。
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