1968(昭和43)年7月11日文部省告知第268号
「小学校学習指導要領」(算数)
第3節 算 数
第1 目 標
日常の事象を数理的にとらえ、筋道を立てて考え、統合的、発展的に考察し、処理する能力と態度を育てる。
このため、
1 数量や図形に関する基礎的な概念や原理を理解させ、より進んだ数学的な考え方や処理のしかたを生み出すことができるようにする。
2 数量や図形に関する基礎的な知識の習得と基礎的な技能の習熟を図り、それらが的確かつ能率よく用いられるようにする。
3 数学的な用語や記号を用いることの意義について理解させ、それらを用いて、簡潔、明確に表したり考えたりすることができるようにする。
4 事象の考察に際して、数量的な観点から、適切な見通しをもち、筋道を立てて考えるとともに、目的に照して結果を検討し処理することができるようにする。
第2 各学年の目標及び内容
[第1学年]
1 目 標
(1)具体的な事象の取り扱いを通して、数の概念や数の表わし方について理解させるとともに、簡単な場合に加法、減法が用いられるようにする。
(2)具体的な事象の取り扱いを通して、量の概念や測定について基礎的なことを理解させる。
(3)具体的な事象の取り扱いを通して、図形や空間について基礎的なことを理解さえる。
2 内 容
A 数と計算
(1)ものを考えたり、数を用いて表したりすることが正しくできるようにするとともに、数の概念について理解させる。
ア 数詞を正しく唱えること。
イ 数を正しくよんだりかいたりすること。
ウ 個数や順番を1対1の対応をもとにして数えること。また、いくつかずつにまとめて数えること。
エ 数の大小および順序について知り、数の系列を作ったり、数直線の上に表したりすること。
オ 一つの数を、ほかの数の和や差としてみるなど、ほかの数と関係づけてみること。
カ 2位数の表わし方についてその意味をしること。
(2)数について加法、減法ができることを理解させ、簡単な場合についてそれを用いることができるようにする。
ア 加法、減法が用いられる場合を知ること。
イ 1位数と1位数の加法およびその逆の減法が確実にできること。
ウ 簡単な場合について、2位数についても加法や減法ができることを知ること。
(3)ものの集まりについて、まとめて考えたり等分したり、また、それらを理解して表わしたりするなど、乗法や除法などに発展する基本的なことを理解させる。
B 量と測定
(1)大きさの比較などを通して、長さ、広さ、かさなどの量の概念や測定について基礎的なことを理解させる。
(2)何時、何時半などの時刻をよむことができるようにする。
C 図 形
(1)ものの形についての観察や構成などの操作を通して、図形や空間について基礎的なことを理解させる。
ア ものの形やその特徴を認めたり、言い表わしたりすること。(日常のことばを用いる程度とする。)
イ 図形を考察するときに用いる操作などに着目すること。
ウ 左右・上下などの方向や位置に関することばを知り、それらを正しく用いること。
3 内容の取り扱い
(1)第1学年においては、次の程度の用語および記号を用いられるようにすることが必要である。
ア 一のくらい、十のくらい
イ +、−、=
[第2学年]
1 目 標
(1)数の概念や奇数法についての理解をいっそう深める。また、加法、減法および乗法について、それらを用いる場合について理解させるとともに、基礎的な計算が確実にできるようにする。
(2)長さやかさなどについて、量の概念や測定について漸次理解させるとともに、それらを測定するすることができるようにする。
(3)物事についての観察や構成などの操作を通して、図形や空間の概念を漸次理解させる。
(4)事がらを整理して表わすことや式の意味などについて、漸次理解させる。
2 内 容
A 数と計算
(1)数の概念や数の表わし方について理解させるとともに、数を用いる能力をのばす。
ア 同じ大きさの集まりにまとめて数えたり、分類して数えたりすること。
イ 数を用いて、ものごとを理解して表わすこと。
ウ 4位までについて、十進位取り記数法による数の表わし方および数の大小、順序について知ること。
エ 1/2,1/3などの簡単な分数を知ること。
(2)加法、減法について理解を深め、これを用いる能力をのばす。
ア 加法、減法が用いられる場合および加法と減法の相互関係について知ること。
イ 2位数、3位数などについての加法、減法の計算が基本的な計算をもとにして処理できることを知ること。また、筆算形式を知り、これを用いること。
ウ 加法、減法に関してなりたつ性質を知り、計算の手順を考えたり結果を確かめたりすることなどに用いること。
(3)乗法の意味を知り、簡単な場合について乗法を用いることができるようにする。
ア 乗法が用いられる場合を知ること。
イ 乗法九九を知り、これを用いること。
B 量と測定
(1)長さ、かさなどの量の概念を漸次理解させるとともに、簡単な場合について長さやかさを測定することができるようにする。
ア 長さやかさについて、単位と測定の意味を知ること。
イ 長さの単位(ミリメートル、センチメートル、メートル)を知ること。
ウ ものさしなどの使い方を知ること。
エ かさを測るに用いる単位(デシリットル、リットル)を知ること。
(2)とけい時計を用いる能力をのばすとともに、時間の概念について漸次理解させる。
ア 時刻と時間の区別を知ること。
イ 日、時、分とそれらの関係を知ること。
ウ 週、月、年のしくみを知ること。
C 図 形
(1)ものの形や位置などについて考察することができるようにするとともに、基本的な平面図形の概念を漸次理解させる。
ア 三角形、四角形などについて、図形を構成する要素(頂点、辺など)を知ること。
イ 正方形、長方形および直角三角形などの基本的な図形を知ること。
ウ 具体的なものの位置を座標の考えを用いて言い表わすこと。
D 数量関係
(式表示)
(1)数量の関係を式に表わしたり式をよんだりすることができるようにする。
ア 式が数量についての事がらや関係を表わす簡潔な表現であることを知り、式を用いること。
イ 相等、大小の関係を表わすのに、等号、不等号を用いること。
(統計)
(2)簡単な事がらを整理して表やグラフの形に表わしたり、これをよんだりすることができるようにする。
3 内容の取り扱い
(1)内容のAの(1)のエおよびBの(1)のアに関して、数がある大きさを単位にして測ったときの値を表わしていると見られることについても、漸次着目させることが必要である。
(2)内容のAの(2)およびDの(1)に関して、必要によっては、( )を用いることはさしつかえない。
(3)内容のCの(1)については、第1学年での学習を深めるとともに、たとえば、簡単な展開図などをもとにして直方体の形を作らせるなど、立体図形についても着目させるように配慮するものとする。
(4)第2学年においては、次の程度の用語および記号を用いられるようにすることが必要である。
ア 百のくらい、千のくらい、たんい、直線、三角形、四角形、正方形、長方形、直角三角形、直角、辺、ちょう点、面
イ >、<、×、mm、cm、m、dl、l
[第3学年]
1 目 標
(1)数量を表わすのに、小数および分数を用いることを知らせるとともに、整数について乗法、除法を用いる場合の理解と計算の能力をのばす。
(2)重さや時間などについて理解させるとともに、基本的な量についての測定が確実にできるようにする。
(3)基本的な図形について理解させ、これらを認めたり用いたりすることができるようにする。
(4)資料を整理したり、式やグラフを用いたりすることなどを通して、数量的な関係やその表現について考察する基礎となる能力をのばす。
2 内 容
A 数と計算
(1)整数とその記数法について理解を深める。
ア 万のくらいを知ること。
イ 10倍、100倍、1/10などの大きさの数の表わし方について知ること。
(2)整数の加法、減法を用いる能力をのばす。
ア 加法、減法につての計算が確実にできること。
イ 加法、減法についてなりたつ性質などを計算に用いること。
(3)整数の乗法についての理解を深め、これを用いる能力を深めること。
ア 乗法が用いられる場合についての理解を深めること。
イ 乗法についてなりたつ性質(たとえば、交換、結合などの法則や、乗法が1ずつ増減したときの積の変化のしかたなど)を知り、それを計算などに用いること。
ウ 乗法九九をいっそう確実に用いること。
エ 2位数や3位数に、1位数および2位数をかける計算が乗法九九などをもとにしてできることを知ること。また、その筆算形式を知り、これを用いること。
(4)除法の意味をを知り、簡単な場合について、それをもちいることができるようにする。
ア 除法が用いられる場面を知ること。
イ 乗法と減法、乗法などの関係を理解し、立式や計算の結果の検討などに用いること。また、余りの意味について知ること。
ウ 除法の計算が乗法九九を用いてできることと除法の筆算形式を知り、除法が1位数の場合についての計算をすること。
(5)小数および分数について知らせ、簡単な場合について、それを用いることができるようにする。
ア 端数部分などを表すのに小数や分数を用いること。また、小数および分数の表わし方を知ること。
イ 小数および分数についても加法、減法ができることを知ること。
(6)そろばんによる数の表わし方を知り、そろばんを用いて簡単な加法、減法の計算ができるようにする。
ア そろばんによる数の表わし方を知ること。
イ 加法、減法の計算のしかたを知ること。
B 量と測定
(1)長さの測定についての能力をのばす。
ア 基準の大きさとして日常用いられるものについて、そのだいたいの長さがわかること。
イ 長さの単位、キロメートルを知ること。
ウ 道のりを長さまたは時間などで表すこと。
エ ものさし、巻き尺などの計器を確実に用いること。
(2)重さの概念を漸次明らかにし、重さを測ることができるようにする。
ア 重さが単位の大きさをもとにして測れることを知ること。
イ 重さの単位(グラム、キログラム)を知ること。
ウ はかりについて、目盛りのよみ方とその用い方について知ること。
(3)時間の概念について理解を深め、簡単な場合について、必要な時刻や時間が求められるようにする(時間の単位、秒を知ることを含む。)。
C 図 形
(1)基本的な図形について理解させ、これを認めたり、用いたりすることができるようにする。
ア 基本的な図形と関連して角を知ること。
イ 二等辺三角形、正三角形などについて知ること。
ウ 円について中心、半径などの意味を知ること。また、円に関連して、球についても、直径などを知ること。
D 数量関係
(関 数)
(1)二つの数を関係づけてみることや、その関係を調べる見方を漸次のばす。
ア 簡単な場合について、対応する数量を考え、値の組を作ったりこれを表などにまとめたりすること。
(式表示)
(2)数量の関係を式に表わしたり、それをよんだりする能力を漸次のばす。
ア 数量の関係を公式の形に表わすこと。
イ 数量を□、△などを用いて表わしたり、□、△などにあてはまる数を調べたりすること。
(統計)
(3)資料や表やグラフでわかりやすく表わしたり、それをよんだりすることができるようにする。
ア 日時、場所などの簡単な観点から分類したり、整理して表にまとめたりすること。
イ 棒グラフのよみ方、かき方を知ること。
ウ 折れ線グラフのよみ方を知ること。
3 内容の取り扱い
(1)内容のAの、(2)、(3)、(4)に関して、次に示す程度までの計算は、暗算でもできるように、適宜練習の機会を与えるように配慮することが必要である。
ア 2位数と2位数との加法およびその逆の減法
イ 2位数と1位数との乗法およびその逆の除法
(2)内容のAの(3)のアについては、乗法は一般に次のような場合に対応して用いられることを漸次理解させるようにすることが必要である。
(基準とする大きさ)*(基準の大きさを単位とした数)
(3)内容のBの(1)、(2)の指導について計器を用いるに当たっては、あらかじめ長さや重さの見当をつけること、適当な単位や計器を選択することおよび計器を正しく取り扱うことなどについても指導することが必要である。
(4)内容のCの(1)の基本的な図形の理解には、定規、コンパスおよび必要によってはものさしなどを用いて、その図形をかいたり、それを確かめたりすることができるようにすることが必要である。なお、角の指導において、必要に応じて、分度器を用いてその大きさを比べたりすることはさしつかえない。
(5)内容のDの(3)については、次の点に注意することが必要である。
ア 表の指導については、合計の欄を用いるなどして、資料について検討をする態度を養うようにすること。
イ グラフについては、最小目盛りが2、5、あるいは20、50などに当たるものについても、漸次よめるようにすること。
(6)第3学年においては、次の程度の用語および記号を用いられるようにすることが必要である。
ア 整数、万の位、数直線、小数、小数点、1/10の位(小数第1位)、分数、分子、分母、あまり、角、二等辺三角形、正三角形、円、中心、半径、直線、球、等号、不等号
イ ÷、km、g、kg
[第4学年]
1 目 標
(1)整数、小数を十進数として理解させるとともに、概数の意味を知らせる。また、整数についての四則計算が確実にできるようにするとともに、小数および分数について加法、減法が用いられるようにする。
(2)面積および体積などの概念を理解させ、簡単な図形についての求積ができるようにする。
(3)平行、垂直や合同などの意味を知らせ、基本的な平面図形について理解を深めるとともに、基本的な立体図形について理解させる。
(4)関数的な関係を表、グラフなどによって考察するとともに、式について理解を深める。また、集合に着目するなどして正しく分類、整理する能力をのばす。
2 内 容
A 数と計算
(1)整数が十進位取り記数法によって表わされていることについての理解をいっそう深める。
ア 億、兆などの単位と、数の表わし方のしくみを知ること。
イ 0,1,2,4,5,6,7,8,9の10個の数字で表わされることの意味を知ること。
(2)概数について理解させ、それを用いることができるようにする。
ア 概数を用いる場合を知ること。
イ 四捨五入の意味を知ること。
ウ 概数に関して、必要に応じて、約などのことばを用いること。
(3)四則の意味と四則に関してなりたつ性質などについて理解をまとめ、実際の場における四則の適用や検算などに適切に用いることができるようにする。
ア 四則が用いられる場合と四則の相互関係についての理解をまとめること。
イ 計算が交換、結合、分配などの法則をもとにしていることに着目すること。
(4)整数の乗法についての計算がいっそう確実にできるようにする。
(5)整数の除法についての計算する能力をのばす。
ア 除数が2位数の場合についても除法の計算ができることを知り、その手順などについて理解すること。
イ 次の関係をまとめること。
(被除数)=(除数)*(商)+(余り)
(5)小数の意味とその表わし方について理解させ、小数について計算する能力をのばす。
ア 小数が整数と同じしくみで表わされていることをまとめること。
イ 小数について加法、減法ができること。
ウ 乗法、除法が整数の場合の乗法、除法(整数を整数で割って商が小数になる場合も含む。)ができること。
(6)分数の意味について理解させ、簡単な場合について分数の計算ができるようにする。
ア 分数の表わし方と分子、分母の意味について知ること。また、簡単な場合について約分すること。
イ 同分母の分数についての加法、減法ができること。
(7)そろばん加法、減法の計算をする能力をのばす。
B 量と測定
(1)長さ、重さなどの測定がいっそう確実にできるようにする。
ア 概則によって大きさを見積もったり、目的に則して計器などを選んだりすること。
イ 測定値などを適当な大きさの単位で簡潔に表わすこと。
ウ 重さの単位のトンを知ること。
(2)面積の概念について理解させ、簡単な場合について面積を求めることができるようにする。
ア 面積の測定の意味を知ること(方眼などを用いて面積を求めることを含む。)。
イ 面積の単位(平方センチメートル、平方メートル、平方キロメートル、アール、ヘクタール)を知ること。
ウ 正方形、長方形の求積のしかたについて知ること。
(3)体積の概念について理解させ、簡単な場合について体積を求めることができるようにする。
ア 体積の測定の意味を知ること。
イ 体積の単位(立方センチメートル、立方メートル)を知ること。
ウ 立方体、直方体の求積のしかたについて知ること。
エ 容積の意味を知ること。
(4)角の概念について理解を深め、角の大きさを測る能力をのばす。
ア 角の大きさの単位の度( °)を知ること。
イ 半回転、1回転などの角について知ること。
C 図 形
(1)基本的な平面図形についての理解を深める。
ア 平行、垂直の関係を知り、それを直線の位置関係や基本的な図形を理解するのに用いること。
イ 図形の合同と頂点、辺、角などの対応について知ること。
ウ 三角形などについて、どの要素で形と大きさがきまるかに漸次着目すること。
エ 平行四辺形、台形などについて知ること。
(2)基本的な立体図形について理解させるとともに、空間について簡単な考察ができるようにする。
ア 立方体、直方体について理解すること。
イ 直方体に関連して、直線、平面の平行、垂直を知ること。
ウ 直方体に関連して、空間にあるものの位置の表し方を知ること。
D 数量関係
(関 数)
(1)伴って変わる二つの数量について、その関係を調べる能力をのばす。
ア 変化の様子を折れ線グラフなどに表したり、それから変化の特徴をよみとったりすること。
(式表示)
(2)数量関係を式で簡潔に表したり、それらをよんだりする能力をのばす。
ア 四則の混合した式や()を用いた式の変化の式のついて、計算の順序やその意味を知ること。
イ 等号を用いた式について、その両辺に同じ数を加えたり引いたりしても、その等号の表す関係が正しいことを知ること。
(3)公式についての考え方を理解させ、公式を用いる能力をのばす。
(統計)
(4)棒グラフや折れ線グラフを用いる能力をのばす。
(5)集合に着目するなどして、資料を正しく分類整理する能力をのばす。
ア 二つの事柄に関して起こる場合を、図などを用いて調べること。
イ 資料の落ちや重なりについて検討すること。
3 内容の取り扱い
(1)内容のAの(4)、(5)に関して、乗数や除数が3位数以上の計算については、その指導を形式的に行うことや習熟のために必要以上に多くの授業時数を充てることをさけ、2位数までの考え方をもとにして児童に考えさせるような指導を行うことが必要である。
(2)内容のAの(7)に関して、二つの数量の関係を、直線的にわかりやすい場合について、簡単な二つの整数を用いて表すことや、その一方をもとにして分数の形で表すことなどについても、適切指導することが必要である。
(3)内容のBの(1)に関して、計器の目盛りを読むに当たっては、誤差がその最小目盛りの1/2以下になるように指導するものとする。
(4)時刻、時間および日数などについての計算は、第4学年以降においては、特に内容としてあげていないが、必要な計算が確実にできるように、指導の機会を適宜設けることが必要である。
(5)内容のCの(2)に関して、立方体、直方体などについては、適宜、見取り図や展開図を用いるなどして、立体図形としての理解を深められるようにすることが必要である。
(6)内容のDの(2)については、乗法で結ばれた二つの数や()の中に書かれた式などを、その計算の結果を表す一つの数と同じとみることができるようにすることが必要である。
(7)内容のDの(5)の掲げる集合の指導に関しては、数や図形などの内容などを集合の観点に立って考察し、これらの概念をよりよく理解し、このような考え方をのばすように指導することが必要である。
第4学年においても、集合については形式的な指導をすることがねらいではなく、積極的に集合に着目させることによって、内容の学習やその処理が適切にできるようにすることをねらいとするものとする。この場合、集合についての用語、記号として、次の程度のものを用いることは差しつかえない。
集合、要素、{ }、⊃
(8)第4学年においては、次の程度の用語および記号を用いられるようにすることが必要である。
ア 億、兆、和、差、積、商、四捨五入、切り捨て、切り上げ、帯分数、真分数、仮分数、平行、垂直、平行四辺形、台形、ひし形、対角線、立方体、直方体、平面、合同、対応
イ cm2, m2, km2, a , ha, cm3(t), m3, t
[第5学年]
1 目 標
(1)小数についての乗法、除数の意味を理解させるとともに、小数および分数について計算する能力をのばす。また、整数の概念についての理解を深める。
(2)測定値や速さの概念などについて理解させるとともに、基本的な図形について求積する能力をのばす。
(3)対象や包摂関係に着目したり簡単な性質を調べたりするなど、基本的な図形について考察す能力をのばす。
(4)文字などで式を簡潔に表したり、式の表す数量の関係を調べたりする能力をのばす。また、百分率や円グラフを用いたり、資料の平均やちらばりを調べたりするなど、統計的な事象について考察する能力をのばす。
2 内 容
A 数と計算
(1)整数について理解を深める。
ア 奇数と偶数に分けるなど、簡単な場合について、観点をきめると、整数はいくつかの集合にわけられることを知ること。
イ 簡単な場合について、倍数、約数などについて知ること。
ウ 整数についての除数の結果は、分数を用いることによって、常に一つの数として表わされることを知ること。
(2)整数および小数について、記数法の立場から十進数としての理解を深め、計算などに有効に用いられるようにする。
ア 小数点の位置を移して、10倍、100倍、1/10、1/100などの大きさの数をつくること。
(3)整数および小数について、概数を用いる能力をのばす。
ア 整数および小数について、その大きさをわかりやすくするのに、必要な位に小数点を移して、4.5万などの表わし方を用いたりなどすること。
イ 積や商などを概数で見積もったり、啓さの結果を概数で表わしたりすること。
(4)乗数、除数が小数であるときを含めて、乗法、除法を用いる場合とその計算について理解させる。
ア 次の場合に当たる計算に乗法が用いられること。
AのBに対する割り合い(Bを単位としてAを測った値)がPであるとき、Aを、B×Pとして求める。
イ 次の二つの場合に当たる計算に除法が用いられること。
AのBに対する割合PをA÷Bとして求める。
AのBに対する割合がPであるとき、Bを、A÷Pとして求める。
ウ 小数の乗法、除数についての計算のしかたを知ること。
エ 小数の乗法、除法についても、整数の場合と同じ関係や法則がなりたつことを知ること。
(5)分数の意味について理解を深め、分数について計算する能力をのばす。
ア 整数および小数を分数の特別なものとみること。また、整数および小数を分数の形になおしたり、分数を小数で表したりすること。
イ 一つの分数の分子、分母に同じ数を乗除してできる分数は、もとの分数と同じ大きさを表わすことを知ること。また、このようにしてできる分数の集合に着目すること。
ウ 分数の大小、相当の比べ方をまとめること。
エ 異分母の場合についての加法、減法ができること。
オ 乗数、除数が整数の場合の分数の乗法、除法ができること。
B 量と測定
(1)面積、体積などを求める能力をのばすとともに、測定値の意味について理解させる。
ア 面積、体積などをが概測すること。
イ 測定値を出すのに、平均などを用いること。
(2)基本的な図形について、その面積が計算で求められることを理解させ、面積の測定に用いることができるようにする。
ア 三角形、平行四辺形、台形などの求積のしかたを知ること。
イ 多角形の面積を三角形などに分けて求めること。
ウ 円の面積について知ること。
(3)異種の二つの量の割合としてとらえられる数量について、その比べ方や表し方を知らせ、これを用いる能力をのばす。
ア 「単位量あたり」の考え方などを用いること。
イ 速さの意味と表わし方を知ること。また、速さを計算で求めること。
C 図 形
(1)基本的な平面図形についての理解をいっそう深める。
ア 基本的な図形について、包摂関係などに着目して理解をまとめること。
イ 基本的な図形についての簡単な性質を用いて、図形を調べたり構成したりすること。
ウ 円について、円周率の意味を知ること。(円周率としては、3.14を用いる。)
エ 円をもとにして正多角形をかいたり、正多角形の基本的な性質を調べたりすること。
(2)線対称、点対称の意味を知らせ、対称性に着目して図形を考察したり構成したりする能力をのばす。
D 数量関係
(関 数)
(1)簡単な式で表されている関係について、変わる数量と変わらない数量の区別や対応する数量の変わり方に着目するなど、数量の関係の見方や調べ方についての理解を深める。
ア 実際の数量の関係が、A+B=CやA×B=Cなどの形で表される場合について、A,B,C などの一つがきまった数であるとき、ほかの二つの数量の変わり方を知ること。
(式表示)
(2)文字を用いて、数量の関係や法則などをいっそう簡潔、かつ、一般的に表わしたりよみとったりすることを知らせ、それが漸次できるようにする。
ア 公式などの示している関係が、整数、小数などにかかわらず用いられることを知ること。
イ 数量を表すことばや、□、△などの代わりにa、χなどの文字を用いることを知ること。
ウ 簡単な場合について、文字にあてはまる値を求めること。
(統 計)
(3)百分率および歩合の意味について知らせ、これを用いることができるようにする。
ア 百分率および歩合(割、分など)の意味を知ること。
イ 百分率および歩合の基本的な場合についての計算ができること。
(4)簡単な場合について、資料のちらばりなどについて考察することができるようにする。
ア 平均の意味を知り、これを用いること。
イ 度数分布を表す表や図表について知ること。
ウ 「以上」、「未満」など、数の区間を表すことばの意味を知ること。
エ 資料から求める割合などを、その資料で調べようとする全体の集団についての傾向を表わすという観点にも着目して考察すること。
(5)円グラフ、帯グラフなどについて知らせ、数量の関係を考察するのに適切に用いることができるようにする。
3 内容の取り扱い
(1)測定値などに関連して、積や商を求めた場合には、答えのけた数をもとのけた数より多く出しても実際にはあまり意味のないことを知らせ、特別の必要のないかぎり、だいたいその限度に積や商のけた数をとどめるような習慣を漸次つけるように配慮するものとする。
(2)内容のDの(1)の指導に関して、数量の変わる範囲についても漸次着目させるようにすることが必要である。
(3)内容のDの(2)については、文字を用いて、数量の関係を簡潔に表すことに漸次慣れさせることを主要のねらいとしているので、文字を用いた式についての形式的な処理に走らないようにすることが必要である。
(4)内容のDの(5)について、円グラフをかくことについては、10または100等分目盛りのグラフ用紙などを用いることを原則とする。
(5)第5学年においては、次の程度の用語および記号が用いられるようにすることが必要である。
ア 以上、未満、奇数、偶数、約分、通分、公約数、公倍数、百分率(パーセント)、割、分、平均、底辺、高さ、円周率、おうぎ形、中心角、正多角形、線対称、点対称、対称の軸、対称の中心、対称の位置
イ %
[第6学年]
1 目 標
(1)分数について、乗法、除法の意味を理解させ、それを用いる能力を伸ばす。また、整数および小数、分数をまとめて、数としての理解を深める。
(2)計量の単位のしくみをまとめて理解させるとともに、比例関係を用いるなど、能率よく測定する能力を伸ばす。
(3)基本的な平面図形や立体図形について理解を深める。
(4)比例などの理解を通して関数的な見方をのばすとともに、数量関係の考察や処理に式やグラフなどが有効に用いられるようにする。
2 内 容
A 数と計算
(1)分数の乗法、除法の意味について理解させ、それを用いることができるようにする。
ア 乗法、除法が分数である場合も含めて乗法、除法の意味をまとめること。
イ 分数の乗法、除法についての計算のしかたを知ること。
ウ 逆数の考えを用いて、除法を乗法の計算としてみること。
エ 整数、小数の乗法、除法が分数の場合の計算にまとめられること。また、乗法、除法に関する計算を一つの分数の形にまとめて表すこと。
(2)数についてに理解をまとめる。
ア 整数、小数と分数の相互の関係について調べること。
イ 大小、相等がきまることや数直線上の点との対応関係について調べること。
ウ 四則の計算についての可能性、および加法、乗法に関して結合、交換、分配の法則がなりたつことなどについて調べること。
エ 数は、二つの数量A,Bについての割合(Bを単位にしてAを測ったときの値)を表しているともみられること。
B 量と測定
(1)メートル法とその単位のしくみについて理解を深め、数量の取り扱いが能率よくできるようにする。
ア 長さの単位と、面積、体積の単位との関係などをまとめて理解すること。
イ 重さの単位と単位体積の水の重さとの関係を知ること。
(2)比例関係などを用いて、数量を能率よく測定することができるようにする。
(3)柱体について体積などを求める能力を伸ばす。
ア 角柱、円柱の体積を、底面積、高さに着目して求めること。
イ 角柱、円柱の表面積などの求め方を知ること。
C 図 形
(1)基本的な柱体(角柱、円柱)、すい体(角すい、円すい)など、立体図形について理解させ、それを認めたり構成したりすることができるようにする。
ア 柱体、すい体の側面の形などについて知ること。
イ 円柱、円錐などが回転体とみられることを知ること。
(2)縮図などの意味について知らせ、図形について理解を深める。
ア 図形の形と大きさについての理解をまとめること。
イ 縮図、縮尺の意味を知ること。
簡単な縮図や拡大図をよんだりかいたりすること。
D 数量関係
(関 数)
(1)比および比例の意味について理解させ、数量の関係を考察したり表現したりする能力をのばす。
ア 比の意味を知り、これを用いること。
イ 比例(正比例)の意味を知ること。また、式やグラフについてその特徴を知ること。
ウ 反比例の意味を知ること。
エ 比例関係に着目して考察すると能率よく処理できる事象が多いことを知ること。
(式表示)
(2)式をより一般的、統合的に用いようとする考え方を漸次のばし、数量の関係の考察や処理が能率よくできるようにする。
ア 式の表す関係を分数も含めて適用するなど、式を表す関係をより一般的に見ること。
イ 式を表す関係を、加法、乗法など、式の形に着目して漸次とらえられるようにすること。
(統 計)
(3)実際の数値とそれを百分率で表したものとの比例関係を用いるなど、数量的な問題の処理に、百分率などを有効に用いる能力を伸ばす。
(4)簡単な事柄について、起こりうる場合を順序よく整理して調べたり、それに基づいて事柄の起こる確からしさ(確率)を比べたりする能力を漸次伸ばす。
(5)表やグラフを、目的に応じて適切に選んだり、便利なものを工夫して作ったりする能力をのばす。
3 内容の取り扱い
(1)分数の四則は、この学年でその計算が一応確実にできるようにすることをねらいとするものとする。この場合、特に帯分数を含む複雑なものを取り上げることをさけ、基本的な場合についての指導に重点がおかれるように配慮するものとする。
(2)内容のAの(2)に関連して、数直線に関して、負の数が考えられることに着目させることはさしつえない。
(3)Cの(1)については、次の点について配慮するものとする。
ア 角柱、円柱および円すいとしては、それぞれ直角柱、直円柱および直円すいを、角すいとしては、正角すいを取り扱う程度とすること。なお、角すいや円すいを作るのは展開図が簡単にかける場合に限ること。
イ これらの立体図形については、適宜、見取り図をよんだりかいたりすることや、簡単な場合について、その立面図または平面図に当たるものをよんだりかいたりすることなどを通して、立体図形としての理解を深めるようにすること。
(4)内容のDの(1)について、比例、反比例などのグラフと関連して、量の連続的な変化やその場合の関数関係が連続的な線で表されることに漸次着目させることが必要である。
(5)内容のDの(4)については、起こりうる場合の考察において、形式的に「組み合わせ」などの考え方を指導することをさけ、特定のものに着目するなどして、具体的に整理して考える程度をねらいとするものとする。また、確率については、たとえば、さいころに関して得られる1/2,1/6などが、多数回試みたときの頻度の傾向を表すものであることを理解させ、蓋然性を表すのに数が用いられることをおもなねらいとして指導するものとする。
(6)第6学年においては、次の程度の用語および記号が用いられるようにすることが必要である。
ア 逆数、角柱、角錐、円柱、円錐、底面、側面、回転体、縮尺、比(:)、比の値、比例(正比例)、反比例
イ ml、kl、mg
第3 指導計画の作成と各学年にわたる内容の取り扱い
1 A、B、C、Dの四つの領域は、内容について系統的、発展的な考察ができることをねらいとして設けたものであって、必ずしも、各領域の内容を別個に指導することを意味しているものではない。したがって、各領域の関連をよく考えて指導計画を立てるとともに、各領域で指導したことが日常の事象に関する問題を考察し処理する際に、総合的に活用されるような機会を設けるように配慮することが必要である。
その際、児童の身近な生活に関する事柄のみならず、児童の心理的、社会的な発達に即して、自然、社会、ないしは文化に関して、広く素材を選び、その適用が偏しないように配慮するものとする。また、いたずらにはんさな問題を数多く取り上げ、児童に無理な負担のかかることのないようにするとともに、特定の類型や手法にとらわれず一般的な考え方が育成されるように指導の方法を工夫することが必要である。
2 Dの数量関係については、関数、式表示および系統の三つの観点からその内容をあげているが、これらは他の領域にある内容を考察したり表現したりする際に多く用いられるものであるので、必要によっては、それらと一体として行なうよう指導計画を立てることが必要である。また、形式的な指導をさけ、そのねらいが児童の発達に即して、無理なく達成されるようにすることについても配慮するものとする。
3 集合、関数、確率などの概念の指導については、それらの観点に立った見方、考え方が児童のなかに漸次育成されるようにするとともに、教師がこれらの観点に立った指導をすることによって、各内容のもつ意味がより的確に児童に把握されるようにすることを主要なねらいとしている。これらの概念については、関連のある各内容の指導と一体となった指導が行なわれるように特に配慮することが必要である。
なお、これらの概念の育成に直接関係するとみられる内容について、それを指導する学年を一応指示しているものもあるが、これらの概念は、特定の学年の指導のみで育成される性格のものではないので、その指導が、児童の発達に即応して継続的、発展的に行なわれるよう配慮することが必要である。
4 計算や測定などの基本的な技能については、その習熟を測るために、その練習の機会が適宜与えられるように計画的に指導することが必要である。また、第2の内容に掲げた個々の内容は、主として指導すべき学年を示したものであるので、次の学年以降においても、それらの内容を児童の実態を考慮し、必要に応じて、継続して指導するよう指導計画を立てることが必要である。
なお、計算の技能に関して、そろばんまたは簡単な計算機などによる乗法、除法の指導を、必要によっては、第4学年以降において行なうことはさしつかえないが、この場合には、他の内容の指導に支障が起こらないようそれに充てる授業時数等について配慮するものとする。
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