1977(昭和52)年7月23日文部省告示第155号
「小学校学習指導要領」(数学)
第3節 算 数
第1 目 標
数量や図形について基礎的な知識と技能を身につけ、日常の事象を数理的にとらえ、筋道を立てて考え、処理する能力と態度を育てる。
第2 各学年の目標及び内容
[第1学年]
1 目 標
(1) 具体的な事象の取り扱いを通して、数の概念や表し方について理解させるとともに、簡単な場合について加法及び減法が用いられるようにする。
(2) 具体的な事象の取り扱いを通して、量の概念や測定について基礎的なことを理解させる。
(3) 具体的な操作を通して、図形や空間についての理解の基礎となる経験を豊かにする。
2 内 容
A 数と計算
(1) ものの個数、順序などを数を用いて正しく表すことができるようにするとともに、数の概念について理解させる。
ア 対応などの操作によって、ものの個数を比べること。
イ 個数や順番を正しく数えたり表したりすること。
ウ 数の大小及び順序を知り、数の系列を作ったり、数直線の上に表したりすること。
エ 1つの数をほかの数の和や差としてみるなどほかの数と関係付けてみること。
オ 2位数の表し方についてその意味を知ること。
(2) 数について加法及び減法ができることを理解させ、それらを用いることができるようにする。
ア 加法及び減法が用いられる場合を知ること。
イ 1位数と1位数との加法及びその逆の減法ができることを知ること。
(3) 具体的な事物について、まとめて数えたり等分したりし、それを整理して表すことができるようにする。
B 量と測定
(1) 大きさの比較などを通して、長さ、広さ、かさなどの量の概念や測定についての基礎的なことを理解させる。
(2) 簡単な場合について、時刻をよむことができるようにする。
C 図 形
(1) ものの形についての観察や構成などの操作を通して、図形や空間についての理解の基礎となる経験を豊かにする。
ア ものの形を認めたり、形の特徴をとらえたりすること。
イ いろいろな形を構成したり分解したりすること。
ウ 図形を考察するときに用いる操作などに漸次着目すること。
エ 方向や位置に関する言葉(前後、左右、上下など)を正しく用いて、ものの位置を言い表すこと。
[用語・記号]
―のくらい 十のくらい + − =
3 内容の取扱い
(1) 内容のA及びBに関して、操作的な活動をさせる場合には、観点を変えて発展 的な思考をさせるような指導を行う必要がある。
(2) 内容のCに関して、具体物から図形を抽象する過程を重視し、図形に対する関心と親しみをもたせるように配慮する必要がある。
[第2学年]
1 目 標
数の概念や記数法についての理解を深める。また、加法、減法及び乗法を用いる場合について理解をさせるとともに、基礎的な計算ができるようにする。
(1) 長さやかさなどについて、量に概念や測定について漸次理解させるとともに、それらの測定ができるようにする。
(2) 基本的な図形の概念や空間の概念を漸次理解させる。
2 内 容
A 数と計算
(1) 数の概念や表し方について理解させるとともに、数を用いる能力を伸ばす。
ア 同じ大きさの集まりにまとめて数えたり、分類して数えたりすること。
イ 簡単な事柄を分類整理し、それを数を用いて表すこと。
ウ 4位数までについて、10進位取り記数法による数の表し方及び数の大小や順序について知ること。
(2) 加法及び減法についての理解を深め、それらを用いる能力を伸ばす。
ア 加法と減法の相互関係について知ること。
イ 2位数、3位数などの加法及び減法の計算が基本的な計算を基にしてできることを知ること。また、その筆算形式を知り、それを用いること。
ウ 加法及び減法に関して成り立つ性質を知り、計算の手順を考えたり、結果を確かめたりするのに用いること。
(3) 乗法の意味を知り、乗法を用いることができるようにする。
ア 乗法が用いられる場合を知ること。
イ 乗法に関して成り立つ性質(乗法が1ずつ増すときの積の増し方、交換の法則など)を知り、それを用いること。
ウ 乗法九九を知り、1位数と1位数との乗法が確実にできること。
(4) 数量の相等及び大小の関係を等号や不等号を用いて表すなど、事柄や関係を式を用いて簡潔に表したり、式をよんだりすることができるようにする。
B 量と測定
(1) 長さ、広さ、かさなどの量の概念を漸次理解させるとともに、簡単な場合について、長さやかさの測定ができるようにする。
ア 長さやかさについて単位と測定の意味を知ること。
イ 長さの単位(ミリメートル(mm),センチメートル(cm)、及びメートル (m))を知ること。
ウ かさを測るのに用いる単位(デシリットル(dl)及びリットル(l))を知ること。
(2) 時刻や時間の概念について漸次理解させ、それらを用いることができるようにする。
ア 日、時及び分並びにそれらの関係を知ること。
C 図 形
(1) ものの形、位置などについて考察することができるようにするとともに、基本的な図形の概念を漸次理解させる。
ア 箱の形をしたものを観察したり作ったりすることを通して、図形を構成す る要素(面、辺及び頂点)を知り、それに着目すること。
イ 正方形、長方形、直角三角形などの基本的な図形を知ること。
ウ 図形を構成する要素に着目して、三角形、四角形などを知ること。
エ 平面上にあるものの位置を言い表すこと。
[用語・記号]
たんい 直線 直角 × > <
3 内容の取扱い
(1) 内容のAの(1)に関連して、簡単な事柄を整理して表やグラフの形に表したり、それらをよんだりすることができるようにする必要がある。
(2) 内容のAの(2)及び(4)に関して、必要な場合には、( )を用いてもよい。
(3) 内容のCの(1)に関連して、平面を合同な正方形、長方形などで敷き詰めることなどの操作的な活動をさせるように配慮する必要がある。
[第3学年]
1 目 標
(1) 数量を表すのに小数及び分数を用いることを知らせる。また、整数について乗法及び除法の意味を理解させるとともに、基礎的な計算ができるようにする。
(2) 重さ、時間などについて理解させるとともに、基本的な量についての測定ができるようにする。
(3) 基本的な図形について理解させ、それを認めたり用いたりすることができるようにする。
(4) 資料を整理したり、式やグラフを用いたりすることなどを通して、数量やその関係を表したり調べたりする能力を漸次伸ばす。
2 内 容
A 数と計算
(1) 整数及びその表し方についての理解を深める。
ア 万の位を知ること。
イ 10倍、100倍、1/10などの大きさの数及びその表し方を知ること。
(2) 整数の加法及び減法を用いる能力を一層伸ばす。
ア 加法や減法に関して成り立つ性質を計算に用いること。
(3) 乗法についての理解を深め、それを用いる能力を伸ばす。
ア 乗法に関して成り立つ性質(乗法が1ずつ増減したときの積の変化、交換、 結合などの法則など)を知り、それを計算などに用いること。
イ 2位数や3位数に、1位数及び2位数をかける計算が乗法九九などを基にしてできていることを知ること。また、その筆算形式を知り、それを用いること。
(4)除法の意味を知り、それを用いることができるようにする。
ア 除法が用いられる場合を知ること。
イ 除法と乗法や減法との関係を理解し、立式や計算の方法を見い出したり、結果を検討したりするのに用いること。また、余りの意味を知ること。
ウ 除数が1位数の場合の筆算形式を知り、それを用いること。
(5)簡単な場合について、小数および分数について知り、それらを用いることができるようにする。
ア 端数部分などを表すのに小数や分数を用いること。また、小数及び分数の表し方を知ること。
イ 小数および分数についても加法や減法ができることを知ること。
(6)そろばんによる数の表し方を知り、そろばんを用いて簡単な加法及び減法の計算ができるようにする。
ア そろばんによる数の表し方を知ること。
イ 加法及び減法の計算の仕方を知ること。
B 量と測定
(1) 重さの概念を漸次理解させ、それを測定することができるようにする。
ア 重さについて単位と測定の意味を知ること。
イ 重さの単位(グラム(g)及びキログラム(kg))を知ること。
(2) ものの長さなどの測定について、目的に応じて単位や計器を適切に選択することができるようにする。
ア 長さについて、そのおよその検討をつけたり、適切な単位を用いて簡単に表したりすること。
イ 長さの単位(キロメートル(km))を知ること。
(3) 時間の概念についての理解を深め、簡単な場合について、必要な時刻や時間が求められるようにする。
C 図 形
(1)基本的な図形について理解させ、それをかいたり用いたりすることができるようにする。
ア 二等辺三角形、正三角形などについて知ること。
イ 基本的な図形と関連して角を知ること。
ウ 円について中心、半径などを知ること。また、円に関連して球についても直径などを知ること。
D 数量関係
(1)数量の関係を式で表したり、それらをよんだりする能力を漸次伸ばす。
ア 数量の関係を公式の形に表すこと。
イ 数量を□などを用いて表したり、それに当てはまる数を調べたりすること。
(2)資料を表やグラフで分かりやすく表したり、それらをよんだりすることができるようにする。
ア 日時、場所などの簡単な観点から分類したり、整理して表にまとめたりすること。
イ 棒グラフの読み方及びかき方を知ること。
〔用語・記号〕
整数 数直線 小数点 1/10の位(小数第1位) 分子 分母 秒 等号 不等号 ÷
3 内容の取り扱い
(1)内容のAの(2),(3)及び(4)に関して、つぎに示す程度までの計算は暗算でできるように配慮する必要がある。
ア 2位数と2位数との加法及びその逆の減法
イ 2位数と1位数との乗法及びその逆の減法
(2)内容のCの(1)の基本的な図形の理解には、定規、コンパスなどを用いて、その図形をかいたり、それを確かめたりさせる必要がある。
(3)内容のDの(2)に関して、グラフについては、最小目盛りが2、5又は20,50などに当たるものについても、漸次よめるように配慮して取り扱うものとする。
〔第4学年〕
1 目 標
(1)整数及び小数を十進数として理解させるとともに、概数の意味を知らせ、その用い方について理解させる。また、整数についての四則計算が確実にできるようにするとともに、小数及び分数について加法及び減法が用いられるようにする。
(2)面積の概念を理解させ、簡単な図形についての求積ができるようにするとともに、角の大きさの測定ができるようにする。
(3)平行、垂直などの意味を知らせ、基本的な平面図形についての理解を深めるとともに、基本的な立体図形について理解させる。
(4)数量やその関係を式やグラフを用いて表したり考察したりする能力を伸ばすとともに、目的に応じて依存関係を調べたり分類したりすることができるようにする。
2 内 容
A 数と計算
(1)整数が十進位取り記数法によって表されていることについての理解を一層深める。
ア 億、兆などの単位を知り、十進位取り記数法についてまとめること。
(2)概数について理解させ、目的に応じてそれぞを用いることができるようにする。
ア 四捨五入の意味を知ること。
(3)整数の乗法についての計算が一層確実にできるようにする。
(4)整数の除法についての理解を深め、これを用いる能力を伸ばす。
ア 除数が2位数の場合にも除法ができることを知り、その手順などについて理解すること。
イ 次の関係をまとめること。
(被除数)=(除数)×(商)+(余り)
(5)小数の意味についての理解を深め、小数について計算する能力を伸ばす。
ア 小数が整数と同じ仕組みで表されていることを知ること。
イ 小数について加法及び減法ができること。
ウ 乗数や除数が整数の場合の乗法及び除法(整数を整数で割って商が小数になる場合も含む。
)ができること。
(6)分数の意味についての理解を深め、簡単な場合について、分数の計算ができるようにする。
ア 分数の表し方やその意味についての理解を深めること。また、簡単な場合について、大きさの等しい分数があることに着目すること。
イ 同分母の分数について加法及び減法ができること。
(7)四則の意味、四則に関して成り立つ性質などについての理解をまとめ、それらを実際の場における四則の適用、検算などに適切に用いることができるようにする。
ア 四則が用いられる場合と四則の相互関係についての理解をまとめること。
イ 計算が交換、結合、分配などの法則を基にしていることに着目すること。
B 量と測定
(1) 面積の概念について理解させ、簡単な場合について、面積を求めることができるようにする。
ア 面積について単位と測定の意味を知ること。
イ 面積の単位(平方センチメートル(cu)、平方メートル(u) 及び平方キロメートル(ku))を知ること。
ウ 正方形及び長方形の求積の仕方を知ること。
(2)角の概念についての理解を深め、角の大きさを測定することができるようにする。
ア 角の大きさの単位の度( °)を知ること。
イ 半回転、1回転などの意味について知ること。
C 図 形
(1) 基本的な平面図形についての理解を深める。
ア 平行四辺形、台形、ひし形などについて知ること。
イ 直線の平行や垂直の関係を知ること。
(2)基本的な立体図形について理解させるとともに、空間について簡単な考察ができるようにする。
ア 立方体および直方体について理解すること。
イ 直方体に関連して、直線や平面の平行及び垂直を知ること。
ウ 空間にあるものの位置の表し方を知ること。
D 数量関係
(1)伴って変わる二つの数量について、その関係を表したり調べたりする能力を漸次伸ばす。
ア 簡単な場合について、対応させる数量を考えたり、値の組を表などに表したりして関係を調べること。
イ 変化の様子を折れ線グラフなどに表したり、それから変化の特徴をよみとったりすること。
(2) 数量の関係を式で簡潔に表したり、それらをよんだりする能力を伸ばす。
ア 四則の混合した式や( )を用いた式の意味を知り、正しく計算すること。
イ 公式についての考え方を理解し、それを用いること。
ウ 数量を□、△などを用いて表したり、それらに当てはまる数を調べたりすること。
(3)目的に応じて資料を集め、分類整理したり、特徴を調べたりする能力を伸ばす。
ア 二つの事柄に関して起こる場合について調べること。
イ 資料の落ちや重なりについて検討すること。
ウ 資料を棒グラフや折れ線グラフに表したり、グラフから特徴や傾向を調べたりすること。
[用語・記号]
和 差 積 商 帯分数 真分数 仮分数 平行 垂直 対角線 平面
3 内容の取り扱い
(1)内容のAの(3)及び(4)に関連して、乗数や除数が3位数の場合の指導については、2位数までの考え方を基にして児童に考えさせるような指導を行う必要がある。
(2)そろばんによる加法や減法については、指導の機会を適宜もうけることが望ましい。
(3) 内容のCの(2)に関連して、適宜簡単な見取り図や展開図をかくことなどを取り扱うものとする。
[第5学年]
1 目 標
(1) 小数について乗法及び除法の意味を理解させるとともに、小数及び分数について計算する能力を伸ばす。また、整数の概念についての理解を深める。
(2) 体積及び速さの概念並びに測定値について理解させるとともに、基本的な図形についての求積する能力を伸ばす。
(3)合同の意味を知らせ、図をかく能力を伸ばすとともに、基本的の図形について考察することができる。
(4)文字などを用いて式を簡潔に表したり、式の表す数量の関係を調べたりする能力を伸ばす。また、百分率や円グラフを用いるなど統計的な資料について考察する能力を伸ばす。
2 内 容
A 数と計算
(1) 整数についての理解を深める。
ア 整数は、観点をきめると、奇数、偶数などに類別されることを知ること。
イ 簡単な場合について、約数、倍数などについて知ること。
ウ 整数についての除法の結果は、分数を用いると常に一つの数として表されることを知ること。
(2) 整数及び少数について、記数法の立場から十進法としての理解を深め、計算などに有効に用いられるようにする。
ア 小数点の位置を移して、10倍、100倍、1/10、1/100などの大きさの数をつくること。
(3) 小数の乗法及び除法の意味についての理解を深め、それらを用いることができるようにする。
ア 乗法や除法が小数である場合も含めて、乗法及び除法の意味をまとめること。
イ 小数の乗法及び除法について計算の仕方を知ること。
ウ 小数の乗法及び除法についても、整数の場合と同じ関係や法則が成り立つことを知ること。
(4) 分数の意味についての理解を深め、分数について計算する能力を伸ばす。
ア 整数及び小数を分数の形に直したり、分数を小数で表したりすること。
イ 一つの分数の分子及び分母に同じ数を乗除してできるか数は、元の分数と同じ大きさを表すことを知る。
ウ 分数と相当及び大小の調べ方をまとめること。
エ 異分母の分数について加法及び減法ができること。
オ 乗法や除法が整数の場合の分数の乗法及び除法ができること。
(5)目的に応じて、積、商などを概数で見積もったり、計算の結果を概数で表したりするなどして概数を用いる能力を伸ばす。
B 量と測定
(1) 基本的な図形について、その面積が計算で求められることを理解させ、面積を求める能力を伸ばす。
ア 三角形、平行四辺形、、台形などを求積の仕方を知ること。
イ 多角形の面積を三角形などに分けて求めること。
ウ 円の面積について知ること。
(2) 体積の概念について理解させ、簡単な場合について体積を求めることができるようにする。
ア 体積について単位と測定の意味を知ることができる。
イ 体積の単位(立方センチメートル(cu)及び立法メートル(u))を知ること。
ウ 立方体及び直方体の求積の仕方を知ること。
エ 容積の意味を知ること。
(3) 量の大きさの概測や測定値の意味についての理解を深める。
ア 長さ、面積、体積などを概測すること。
イ 平均の意味を知り、それを用いること。
(4) 異種の二つの量の割合としてとらえられる数量について、その比べ方や表し方を知らせ、それを用いる能力を伸ばす。
ア 「単位量当たり」の考え方などを用いること。
イ 速さの意味及び表し方を知ること。また、速さを計算で求めること。
C 図形
(1) 基本的な平面図形についての理解を一層深める。
ア 図形の合同及び頂点、辺、角などの対応について知ること。
イ 図形の形や大きさがきまる要素に漸次着目すること。
ウ 基本的な図形の簡単な性質を見いだし、それを用いて図形を調べたり構成したりすること。
エ 円周率の意味を知ること。(円周率としては3.14を用いる。)
オ 円を基にして正多角形をかいたり、正多角形の基本的な性質を調べたりすること。
D 数量関係
(1) 百分率の意味について知らせ、 これを用いることができるようにする。
(2) 簡単な式で表されている関係について、 二つの数量の対応や変わり方に着目させるなど、数量の関係の見方や調べ方についての理解を深める。
(3) 数量の関係や法則などについて、それを一層簡潔にかつ一般的に表したりよみりとったりすることが漸次できるようにする。
ア 公式などの示している関係が、整数、小数などにかかわらず用いられることを知ること。
イ 数量を表すことばや□、△などの代わりにa,xなどの文字を用いることを知ること。
(4) 目的に応じて資料を分類整理し、それを円グラフ、帯グラフなどを用いて表すことができるようにする。
[用語・記号]
約分 通分 公約数 公倍数 合同 おうぎ形 中心角 %
3 内容の取り扱い
(1) 内容のDの(1)に関連して、歩合の意味についてふれるものとする。
内容のDの(3)については、文字を用いた式についての形式的な処理に走らないように取り扱うものとする。
内容のDの(4)に関して、円グラフをかく場合には、10等分又は100等分の目盛りのグラフ用紙などを用いることを原則とする。
[第6学年]
1 目 標
(1) 分数について乗法及び除法の意味を理解させ、それらを用いる能力を伸ばす。また、整数、小数及び分数をまとめて、数として理解を深める。
(2)計量の単位の仕組みをまとめて理解させるとともに、能率よく測定する能力を伸ばす。
(3) 図形を対称性、相互関係などに着目して考察し、図形についてまとめたり理解を深めたりする。
(4) 比例などの理解を通して関数的な見方を伸ばすとともに、資料の分布を調べるなど、統計的に考察したり表現したりする能力を伸ばす。
2 内 容
A 数と計算
分数の乗法及び除法の意味について理解させ、それらを用いることができるようにする。
ア 乗数や除数が分数である場合も含めて、乗法及び除法の意味をまとめること。
イ 分数の乗法及び除法について計算の仕方を知ること。
ウ 逆数の考えを用いて除法を乗法の計算としてみること。
エ 整数や小数の乗法や除法が分数の場合の計算にまとめられること。
また、乗法や除法に関する計算を一つの分数の形にまとめて表すこと。
(1) 数と計算についての理解を深める。
ア 整数や小数と分数の相互関係について調べること。
イ 数の相等や大小がきまること及び数直線についての理解を深めること。
ウ 四則計算の可能性などについて調べること。
エ 数が不確定な事象の起こる程度を表すのにも用いられることを知ること。
B 量と測定
(1) 量の測定や単位についての理解を深め、測定の能力を一層伸ばす。
ア 比例関係などを用いて能率よく測定すること。
イ メートル法及びその単位の仕組みについて理解し、それを測定に有効に用いること。
ウ 次の単位を知ること。
アール(a), へクタール(ha)、 ミリリットル(ml)、 キロリットル(kl)、ミリグラム(r)及びトン(t)
C 図形
(1) 平面図形についての理解を一層深める。
ア 線対称及び点対称の意味を知り、対称性に着目して基本的な図形を考察すること。
イ 図形の形や大きさについての理解をまとめ、簡単な縮図や拡大図をよんだりかいたりすること。
ウ 基本的な図形の相互関係について調べること。
(2)基本的な柱体(角柱及び円柱)及びすい体(角すい及び円すい)を知り、それらを表したり作ったりすることができるようにする。
D 数量関係
(1) 比の意味について知らせ、それを用いることができるようにする。
(2)伴って変わる二つの数量について、それらの関係を考察する能力を一層伸ばす。
ア 比例(正比例)及び反比例の意味を知ること。また、簡単な場合について、式やグラフを用いてその特徴を知ること。
イ 比例関係に着目すると能率よく処理できる事象の多いことを知ること。
(3) 簡単な場合について資料の散らばりを調べるなど、統計的に考察したり表現したりする能力を一層伸ばす。
ア 度数分布を表す表やグラフについて知ること。
イ 一部の資料から求める割合などによって全体についての傾向が分かることがあることを知ること。
ウ 表やグラフを目的に応じて適切に選んだり、便利なものを工夫して作ったりすること。
(4) 簡単な事柄について、起こり得る場合を順序よく整理して調べる能力を漸次伸ばす。
[用語・記号]
逆数 対称の軸 対称の中心 比の値 以上 未満 :
3 内容の取り扱い
(1) 分数の四則は、この学年でその計画が一応確実にできるようにすることをねらいとするが、帯分数を含む複雑なものは避け、基本的なものについての指導に重点を置くように配慮するものとする。
(2) 内容のCの(2)については、次の事項に配慮するものとする。
ア 角柱、円柱及び円すいとしては、それぞれ直角柱、直円柱及び直円すいを、角すいとしては正角すいを取り扱う程度とすること。
なお、角すいや円すいを作るのは展開図が簡単にかける場合に限ること。
イ これらの立体図形については、適宜、見取り図をよんだりかいたりすること、簡単な場合についてその立体図又は平面図に当たるものをよんだりかいたりすることなどを取り扱うこと。
(3) 内容のDの(2)について、比例,反比例などのグラフと関連して、量の連続的な変化、その変化する範囲などについて漸次着目させる必要がある。
第3 指導計画の作成と各学年にわたる内容の取り扱い
1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1) 各学年の内容は、次の学年以降においても、それらの内容を必要に応じて継続して指導すること。
(2)計算や測定などの基本的な技能については、その習熟を図るために練習の機会を設けて計画的に指導すること。
(3) 第3学年から第6学年までの内容のDに示す事項には、D以外の領域の 内容を考察したり表現したりする際に有効に用いられるものが多いので、 このようなものについては、D以外の領域の内容を取り扱う中で適宜取り上げて指導すること。
2 各学年の内容に示す [用語・記号]は、その学年で取り扱う内容の程度や範囲を明確にするために示したものであり、それらの用語及び記号の指導に当たっては、各学年の内容と密接に関連させて取り扱うように配慮するものとする。
3 計算の技能の指導に関連して、そろばんや計算機を第5学年以降において適宜用いさせることは差し支えないが、この場合には、概算によって見通しを立てるなどの能力の育成を妨げないように配慮する必要がある。